神7のストーリーを作ろうの会part9

1 :ユーは名無しネ:2014/02/18(火) 13:31:52.50 0.net
終わることのない 神7 Story

149 :ユーは名無しネ:2014/06/22(日) 20:37:46.34 0.net

「嶺亜ごめんなさい。お母さんね、その日どうしても出なくちゃいけない会議があるの。場所も遠いから間に合いそうになくて…本当にごめんね。そのお仕事が片付いたらお休みが取れるから嶺亜の行きたいところややりたいことさせてあげるからね。本当にごめんね」
なんで?僕はがんばったんだよ。来年はもうリレーの選手になれないかもしれない。今観に来てくれないともう僕が運動会で活躍してるところは観れないかもしれないのに。
それが声に出ることはなかった。僕じゃない誰かが「そっかぁじゃあ仕方ないねぇ。お弁当美味しいの作ってねぇトマトは入れちゃやだよぉ」って返事していた。
運動会の数日前、僕は昼休みに階段からわざと落ちた。鈍い痛みが左腕に走って骨折だと診断された。全治一カ月だった。
骨折した僕を家に放置できなかったのかお母さんはその日から休みを取った。運動会の日、僕は欠席をして家にいた。絵を描きながら僕はこんなことを呟く。
「どっちみち僕の走ってるところは観れなかったねぇ」
お母さんは驚いたような顔をしていた。
多分、僕がわざと骨折したこともその時分かったんだと思う。だけど叱られることはなかった。
快晴の青い空を見上げながら僕はどうして自分がこんなことをしてしまったのか考えた。でも答えは出なかった。
それから何度かそういうことがあったけど、中学生になった頃からあまりそれが発動することはなかった。成長するにつれ感情のコントロールもできるようになったしそう神経を揺さぶるような出来事もなかったからだと思う。
そう、お母さんの再婚が決まって龍一に会うまでは。
「よろしく嶺亜くん。これは息子の龍一で…中学三年生だから嶺亜くんより一つ年下かな。龍一、挨拶しなさい」
龍一、と呼ばれた子は緊張気味に頭を下げた。そしてほとんど聞きとれないくらいの小声で名前と挨拶をする。
美しい男の子だった。
年下だ、と言われなければ2,3歳年上だと錯覚してしまいそうなほどに大人びていて、憂いを帯びた瞳はくっきりとした二重でミステリアスな雰囲気を放っている。
整った顔立ちとは裏腹におどおどとしてぎこちない。なんだか不思議な生き物に出会ったというのが第一印象だったように思う。
「仲良くしてあげて。この子は人見知りが激しいからなかなか素直に感情が表に出せないんだ」
「うん。よろしくねぇ龍一君…あ、弟だから龍一でいいよねぇ?僕のことは嶺亜兄ちゃんでいいよぉ。ずっと弟か妹が欲しかったから嬉しいよぉ。あ、パパも嶺亜でいいからねぇ」
僕はその時違和感を感じた。

147 :ユーは名無しネ:2014/06/22(日) 20:34:55.46 0.net

「誰にも…父さんにも継母さんにも言わないから…絶対に誰にも言わないから…だから…」
そばにいさせて
俺のことを見て
そう続けることができなかった。声はどこかに吸い込まれてしまって響きとなることはなく…
声の代わりに俺を見上げる嶺亜兄ちゃんの頬を何かが濡らした。
それは涙だったように思う。
後から後から溢れ出て来るそれを、自分の意思で止めることができず嶺亜兄ちゃんの美しい白い肌が次々に濡れて行った。
見開かれた嶺亜兄ちゃんの眼が次の瞬間に警戒の色を湛えた。視線はリビングのドアに向く。玄関の開閉音が聞こえたのだ。
自分でも驚くほど素早く俺は嶺亜兄ちゃんから離れていた。リビングのドアが開く時にはもう距離があったが…
「ただいま…龍一君?どうしたの?」
買い物袋を両手に下げた継母が俺を驚きの表情で見ている。
涙を拭いきれてなかったからだろう。後ろで嶺亜兄ちゃんがすぐさま切り替える気配がした。
だけど俺は嶺亜兄ちゃんが口を開く前にこう答えた。
「…模試の結果が最悪で…父さんにきっと怒られるどころじゃすまないと思ったら怖くて…嶺亜兄ちゃんに相談してたんだ。自分が情けなくて涙が出てきて…」
嘘やごまかしは大の苦手だった。
勉強は得意だったが、咄嗟の言い訳や臨機応変な頭の回転はひどく鈍く、言葉はいつももつれてでてこない。なのに今、驚くほどつらつらと嘘と偽りが滑るように出てくる。
誰にも知られないために
それが自分に今までなかった力を与えてくれていた。

39 :ユーは名無しネ:2014/03/20(木) 16:05:54.73 I.net

岸家の人々きた!!

谷茶浜よかったね〜おめでとう!

219 :ユーは名無しネ:2014/08/24(日) 23:13:10.77 I.net

作者さん乙です。これはまた続きが楽しみだ

308 :ユーは名無しネ:2014/09/13(土) 19:42:14.96 0.net

とりあえず妄想だけで書いてみよう

ガムシャラSexy夏祭り記念

夏真っ盛り。照りつける太陽が肌を刺す。うだるようなその暑さは体力も気力もごっそり奪い去って行くかのように残酷だ。
その辛辣な無言の圧力に耐えながら谷村龍一は六本木を目指す。クーラーの利いた電車を降りるとまたむせかえるような熱気。できるだけ日陰を選んだつもりだが着いた頃には汗が全身から吹きだしていた。
だが無気力になっている余裕はない。これから本番。気の緩みは1ミリも許されないのである。そう、例えバック要員とはいえ出演者には違いないのだから。
楽屋に入るとすでに何人かは先に来ていて振りの確認や休憩にあけくれていた。適当に挨拶をしてバックを置き、椅子に座ろうとすると同じジャニーズJrの菅田琳寧が話しかけて来た。
「あ。タニムー。ハエ止まってるよ」
「え?」
言われて肩のあたりに目をやると、本当にハエが止まっていた。慌てて手で払うと蛍光灯のあたりまで飛んで行く。
「…」
なんか、最近ハエにたかられることが多い気がする…
それもこれは何かの暗示で、今日もまた何か良くないことが起ころうとしているのだろうか…
自我修復しかけて、いやいやいかんと気を引き締めた。とりあえず爽やかな匂いを発しておけば寄って来ないだろうとミントタブレットを数粒口にする。スーっと爽やかな味が口内に広がった。
よし、これで大丈夫だ。アイドルたるものお口のケアも怠ってはいけない。ハエのたかるアイドルなんて笑い話にもならない。

249 :ユーは名無しネ:2014/08/29(金) 22:31:24.65 0.net

「ごめんね岸くん。忙しいのに」
「ん?別に忙しくないよ。こっちこそなんか悪いな。颯、勉強とかしてたんじゃないの?」
「ううん…」
母親がスイカと麦茶を持ってやってくる。岸くんはお礼を言ってそれに口をつけた。
「台風が祭の日に来なくて良かったな。まるで祭が終わるの待っててくれたみたいなタイミングでびっくりした」
岸くんはそう話ながら笑う。優しくて眩しい笑顔。昔からちっとも変わらない。
3つ年上の岸くんはいつだって優しかった。物ごころつく前から自分は岸くんのことが大好きで、その背中をずっと見ていた記憶がある。
大きな手はいつの間にか颯が岸くんの身長を越してもそこだけは差が縮まることはないように思う。なんだって掴み取れる大きな手。そう、空の色でさえも…
「成り行きで教えることになっちゃったけど大人数でダンスってのも面白いよな。神宮寺はちょっとリズム感悪いけど表情の付け方とかカッコ付け方とかセンスいいし、羽生田も覚え早いしアホだと思ってた恵もまあまあ行けるし…」
屈託のない笑顔で岸くんは神宮寺達の話をする。昨日今日出会ったばかりの彼らだが不思議と前からの知り合いのような気がするのは颯も同じだ。
「次は俺達があいつらのいるところに行くのも面白いかもな。観光とかもしたいし案内してもらおうぜ」
「うん」
頷いた後で、颯は岸くんのそのキラキラした瞳を見るのが辛くなる。何故かは分からない。予感めいたものが自分の中にあって、それがどうしようもなく神経を揺さぶっている。
「どうした、颯?」
そんな颯の心情が表情に出てしまったのか不思議そうに岸くんは顔を覗きこんできた。
言いたくない、言っちゃいけない、だけどそれは口から出てしまっていた。
「岸くん、いなくなったりしないよね?」
自分でもなんでこんなことを口にしたのか分からない。だけど、何故か口にせずにはいられなかった。
ここで岸くんが即座に「何言ってんの颯、疲れてんの?」と冗談として処理して笑い飛ばしてくれればこれ以上不安が暴走することもなかったかもしれない。
だけど岸くんは明らかな動揺を見せる。それが颯の不安に拍車をかけた。
「でも…俺がいなければ、岸くんは今頃こんなところにいなくて、夢を追いかけてたのに…」
空気が一瞬、張り詰めた…気がした。だけどそれはすぐに消え去り、岸くんの慌てたような声が響く。
「な…に言ってんだよ颯。お前まだ気にしてんの?何年前の話だよ。それに、俺の夢とそれとは関係ないだろ」
「だけど、俺のせいでおじさんは…」
「あのさ、そんなの起こってしまったこととやかく言ってもしょうがないって。そんな気にされる方がなんか重たいよ。何度も言ってるじゃん」
そう。気にすればするほど岸くんを苦しめる。だけど颯の不安定な心は正しい方向を見失ってしまった。
揺れた感情は支えを失い、よろめいて崩れてゆく。颯は震える声で呟いた。
「俺があの時嬉しがってあんなとこでヘッドスピンしなかったら…」
「やめろって言ってるだろ!!」
岸くんの大声に、颯の思考は強制的に一時停止する。驚いて顔をあげると、彼の眼は怒りと哀しみに満ちていた。
猛烈な後悔が押し寄せる。だけど、もう遅い。
「…俺、帰るわ」
消え入るような声でそう言うと、岸くんは部屋を出て行く。
颯は動くことができなかった。

.

7 :ユーは名無しネ:2014/02/20(木) 00:41:18.86 0.net

更新きた!作者さん乙です!
ここから寅菱学園とどう絡んでいくのか…
続きも楽しみにしてます

207 :ユーは名無しネ:2014/08/14(木) 19:33:28.21 I.net

その頃、嶺亜の部屋では…
「ごめんねぇ、恵ちゃん…うつっちゃうからもういいよぉ。少し良くなってきたからぁ」
「何言ってんだれいあ、まだ熱あんぞ。とりあえず海坊主…じゃなかったうみんちゅが作ったおかゆ食えよ。あと水分取って薬飲んで汗かいたら拭けよ。濡れタオルもここに置いとくからよ」
「ありがとぉ…」
けだるい身体を起こしながらうみんちゅ特製のお粥を口にする。さすがに食にこだわる人間が作っただけあって美味しかった。食欲も戻ってきたようだ。
「どした?れいあ?」
「んーん。なぁんか昔のこと思い出しちゃってぇ…。ほら、小学生の時、僕が熱出した時ママの作ったまずいお粥に文句言ったらママが怒って『もう作らないよぉ』って言って…そしたら恵ちゃんが一生懸命作ってくれたのぉ」
「ん?あーそーいやそんなことあったっけな。でもよーれいあ、そん時のおかゆ…」
「うん、ママの数倍マズかったけどぉ…恵ちゃんが作ってくれたんだぁって思ったらぁ全部食べれたよぉ。それでまたママが文句言ったけどぉ」
「そっかー。そうだよなー。だって料理はいつもママかれいあがしてたし、調理実習ですらふざけてマジメにやってなかった小学生の俺がマトモなもん作れるわけねーって今なら分かるけどあん時ゃ世界一美味いおかゆ作れたと思ってたからよ」
「恵ちゃん一生懸命料理の本見て作ったんだよねぇ。あの頃住んでた家狭かったし襖の隙間からそれが見えてなんかすんごく嬉しかったよぉ」
「そりゃれいあのためだからよー。龍一が熱出したら颯に作らせるけどなーギャハハハハハハ!!」
大笑いしたかと思うと恵は「あ」と手を叩いた。
「そういやあいつ、今日は俺が夕飯作る!とか言ってたから龍一にその必要ねーって言っとけって言ったけどあいつしくじったみたいで下で颯がなんか大勢ひきつれて作ってやんの。てなわけで俺暫くここから出ねーよ。颯はいい子だけどあの殺人料理だけはいただけねー」
そんなことになっていたのか、と嶺亜は苦笑いが漏れる。そのせいか階下がなんだか騒がしい気もしたが今は静けさが戻っている。
「颯は一生懸命だからねぇ…パパも優しいからきっと汗だくになりながら食べてあげてるだろうねぇ」
その姿を想像すると可笑しくて嶺亜も恵も笑いが漏れる。
そして嶺亜が薬を飲むための水を汲みに恵がリビングに降りるとそこにはシチューを完食して真っ白に燃え尽きた岸くんがいた。すでにこと切れた岸くんに、恵は浅い溜息をつきながらこう声をかける。
「ったく適当なこと言って残しゃいいのによー。パパおめーはほんとお人良しだな。しゃーねーから俺が明日胃薬買ってきてやるよ」
しかし岸くんの横にはきちんと各種胃薬が置かれていた。颯のシチューの破壊力を察した岩橋が逃げ帰る際に岸くんの身を案じて置いて行ってくれたものだった。

おわり

13 :ユーは名無しネ:2014/03/02(日) 20:04:45.25 O.net

問題点

宗教は羽生の自由ですが薬事法違反のカルト商法は問題です

【血糖値が〜糖尿病にも!】【神のテープ・神の声】【新たな医療】【念を込めたアイテム】

チャクラ仙人のブログに書かれていることは某ゴーストライター詐欺師と同じ主張

そんなチャクラ仙人に【相棒】と書かれている羽生

税金でチャクラ仙人をソチ入りさせて閉会式も一緒に行動

羽生の父親も手伝ったと書かれているチャクラカード…【共犯者】です

63 :ユーは名無しネ:2014/04/20(日) 20:14:37.84 0.net

「嶺亜兄ちゃん…あの…パパは…?」
ご機嫌で花瓶にバラの花束を移し換えている嶺亜に龍一が問う。
「パパは高校の時の友達と同窓会なんだってぇ」
有り難い展開だった。岸くんと嶺亜の道ならぬ関係さえ気付かれずに帰ってもらえたら後はもう安心なのだ。帰りが遅ければ遅いほどその危険が薄まるから願ってもない。
夕飯ができて岸くん抜きで食卓を囲む。今日はお好み焼きである。ホットプレート一面にタネが敷かれそれをコテで割って分けるという大家族岸家スタイルである。一枚ずつ焼いていたのではおっつかないのだ。
「パパ同窓会かよ。元同級生とランデブーしてなきゃいいけどな」
勇太が嶺亜に冗談めかすが龍一は背中に汗をかいた。お願いだからそれとなく分かるようなこと言わないでくれ…
「まあパパもたまには正真正銘の女と触れあいたいだろうからな。おっと嶺亜、コテで人の手を刺すのはやめろ」
挙武はさっと嶺亜の攻撃をよける。彼は絶対零度の人殺しの眼になっていたが本高は豚玉を食べていて気がつかない。顔をあげたと同時に女神の微笑みに戻って嶺亜は本高に話しかける。
「いっぱい食べてねぇ。あ、郁ぅ食べ過ぎだよぉポテトサラダが冷蔵庫にあるからそれ食べてなさぁい」
嶺亜のぶりっこは相変わらずだったし岸くんは帰宅が遅いからその前に本高を自分の部屋にでも連れて行けばさほど問題ないかもしれない。
何事もなくこのお泊まりが終われば明日からまた平穏な日々が訪れる…龍一は祈りながらお好み焼きを口にした。
「こら龍一ぃ、ソース零れてるよぉほんとだらしなぁい」
嶺亜にたしなめられて、慌てて龍一が拭くと本高がくすっと笑う。その後でうらやましそうに呟いた。
「いいなあ。俺もソース零して怒られたい…」
いつもならこれ絶対零度で「服に染みできるような真似したら洗濯大変なの分かってんのぉ?」って刺されるんだぞそれでもいいのか…という言葉を龍一は飲み込んだ。
本高がいるからか嶺亜は猫を被って優しいお姉さん…じゃなくてお兄さんを演じている。さすがと言うべきだろうか。
夕飯が終わり、恵が強引に本高をマリオカート対戦に付き合わせて洗いものを終えた嶺亜も参加する。
「あぁまた轢いちゃったよぉこれ難しいよぉ」
「ギャハハハハ!!れいあはカートで人轢くのがうめーな!ギャハハハハハハ!!」
恵がバカ笑いしていると本高がうっとりした表情でまた呟く。
「いいなあ。俺も嶺亜くんのカートで轢かれたい…」
龍一は思う。日曜の朝、遅くまで寝てると「ちょっと邪魔ぁ。自分で掃除しないんならさっさとどいてぇ」と掃除機で轢かれるんだけどそれでもいいのか…と。こいつならそれでも悦ぶんだろうか…

140 :ユーは名無しネ:2014/06/15(日) 22:08:55.24 I.net

「「…」」
谷茶浜凜は涙をボロボロこぼしていた。
「凜…」
「龍一…」
「俺、凜と出会って少しだけ明るくなれたんだ」
「龍一、俺もだよ。龍一がいなかったらきっと今の自分はいなかった」
「これは俺たちの歌だ…!」
「早く振りと音覚えよ!!」
「うん!」
2人の周りはキラキラと輝いている。
瞳はそれ以上に光が宿る。
龍一と凜は幼少期以来のはしゃぎっぷりだ。
そして…

「さあ始まりました。今夜のM○テ、ゲストは只今人気沸騰中、谷茶浜凜のお2人です!」
「こんばんは…」
「お久しぶりです…」
「今夜は谷茶浜凜の2ndシングル、『Twin Star‾星屑のなか‾』を歌っていただきます。谷茶浜凜のお2人、この曲の注目ポイントは?」
「はい、この曲は僕と凜のシンメのダンスや、パワーアップした歌も御注目して頂きたいです」
「そうですか、楽しみですね!ではスタンバイお願いします!」
「「はい!」」

167 :ユーは名無しネ:2014/07/13(日) 15:00:27.90 0.net

だけど、僕には龍一が僕の本当の気持ちになんて永久に辿り着くことがないという事実を突きつけられた気がして、僕は半分錯乱状態で龍一に感情をぶつけてしまった。
何かが壊れて、希望も期待も抱く意味がないことをその時僕は悟った。所詮僕の気持ちなんてどこにも辿り着くことはなくて、彷徨う他にないということ。
心を殺して、龍一とはただの兄弟以外の接触をもたないこと。そう心に誓ったのに…
龍一はどこまでも僕の心を揺らし続ける。
「何す…」
リビングで携帯を見ていた僕に、龍一は覆いかぶさってきた。
僕には龍一の考えてることが分からなくて、ただそれを受け入れたい気持ちとまた自分の勘違いで傷つくことへの畏れが相反して頭の奥に閃光が瞬く。
「っつ…」
僕は覆いかぶさってきた龍一の肩に噛みつく。そして自分でも何を言っているのか分からないけど龍一が少し寂しそうな眼をしているのだけを認識する。
もうこれ以上僕の心をかき乱さないで
僕はそう叫ぼうとしたけどそれは掻き消されてしまう。頬にあたる温かい液体が何もかも僕の中から奪い去ってゆく。
龍一は泣いていた。
どうして龍一が泣くの?泣きたいのは僕の方だよ?だけどやっぱりそれも声になることはなかった。
ドアの開閉音を僕の耳は捉えた。咄嗟にどう取り繕っていいのか、躊躇している間にリビングのドアが開いてしまう。入ってきたお母さんは泣いている龍一を見て驚いているようだった。
混乱を一瞬で鎮めて、どうにかこの場をやり過ごすことのできる単語を僕は並べる。だけど僕は次の瞬間お母さん以上に驚いてしまって頭が真っ白になった。
「…模試の結果が最悪で…父さんにきっと怒られるどころじゃすまないと思ったら怖くて…嶺亜兄ちゃんに相談してたんだ。自分が情けなくて涙が出てきて…」
龍一がすらすらと嘘を並べた。動揺や戸惑いなど微塵も見せず、まるで今しがた僕が見ていたのは幻かと思うような、一点の疑いも抱くはずのない迫真の演技…
僕が龍一に抱いていた印象とそれは全く違った。ごまかしたり、取り繕ったりなんてできない性格のはずだったのに…

71 :ユーは名無しネ:2014/04/28(月) 23:38:51.19 0.net

挙武はイライラしている。腕に嵌められたスイス製の高級時計の針を見てまたそれが増幅される。
「何やってんだ嶺亜は…」
ラインは確かに既読になっている。6時までには家に帰って来いということも分かっているはずだ。
なのにもう5時55分にもなるのに一向に帰ってくる気配がない。電話をかけて呼び出そうとすると父親がやってくる。
「挙武、行くぞ」
「え?嶺亜がまだでしょ。それとも現地集合?」
聞き返すと父親はバツが悪そうに頬を掻きながらこう答えた。
「嶺亜はどうしてもはずせない用事があるそうだ。仕方がないから今日はお前だけ連れて行く」
「はぁ!?」
思わず叫んでしまった。しかしながらこれはいつもの嶺亜の常套手段である。嶺亜に甘い父親にのみ知らせるという…
「ちょっと待ってよ!なんで嶺亜だけ…だいたいあいつのはずせない用事って何?そこんとこちゃんと聞いてるんだろうね父さん!!」
詰め寄ると、父親は参ったといった風に両手を胸の前に広げる。
「聞こうとしたら…『パパは僕のこと信用してないのぉ?』って泣かれちゃって…嶺亜を泣かせるとほら、後が厄介だから」
「そんなん嘘に決まってるだろ!!だいたい父さんは嶺亜にだけ甘すぎる!俺だって本当は今日見たかったハリウッド映画の公開日だったのに我慢して来たんだぞ!それなのに…」
「分かった分かった。今度の連休ロスに行こう。最新の映画セットができたそうだから…それでいいだろう?な?待たせてあるから早く」
そそくさと父親は逃げて行く。挙武は収まりきらぬ怒りを抑えながら食事を終了した。そして…
「ここで降ろして」
帰り道、家の手前で車から降ろしてもらう。それは隣の家である。
インターホンを押すと「ふぁい?」と気の抜けるような高い声が返ってくる。名前と要件を告げると渋られたが半ば懇願、半ば圧力をかけてドアを開けてもらった。
「うちのどうしようもない我儘娘…じゃなかった兄がお邪魔してると思うんで」
「あ、でもぉ…嶺亜お姉ちゃんは…お兄ちゃんだったっけ?まぁいいやぁ…今お取り込み中で挙武お兄ちゃんが来ても通すなってぇ…」
「悪いけど緊急を要するから通してもらう。すまんな海人」
挙武が睨みをきかせると隣の高橋家の二男、海人はおろおろと道を開けた。声変わりもまだの中学三年生である。
「たのもう!!」
狙いを定めた部屋のドアを勢いよく開けると、案の定そこには嶺亜と幼馴染みの颯がいた。

.

385 :ユーは名無しネ:2014/10/27(月) 19:43:47.94 0.net

「…」
嶺亜は冷めた目でそれを見おろす。その後ろで颯と谷村が動揺していた。
「なんで嶺亜の部屋まで…」
颯は声を震わせる。谷村はただただ愕然と立ち尽くすことしかできなかった。
あまりにも惨い。一体、誰がなんの目的でこんなことをしたのか…理解に苦しむ光景だった。
寮は二人部屋しかなく、そのほとんどの生徒が相部屋だったが嶺亜は生憎一人でその部屋を使っていた。単に嶺亜の学年で瀬久樹寮に入る生徒が奇数だったためである。
その部屋が見るも無残な形に荒らされていた。
プライベートな空間に土足で踏み入り根こそぎそのプライバシーを奪う…引き出しの中や箪笥の引き出し、クローゼットに至るまですべてひっくり返されていた。傍目には颯がここでヘッドスピンをしたのではないかと思えるほどに。
その颯が珍しく怒りを露わにした声色で叫ぶ。
「ひどいよこんな!!許せない!!」
わなわなと震える颯の声に被せるように、嶺亜の抑揚のない声が響く。
「僕はちゃんと鍵はかけた…どうやってここに入ったのぉ…しかも、鍵はまたちゃんとかけられてた…」
そう、几帳面な嶺亜は施錠を怠ったことはない。今こうしてドアを開ける時もちゃんと鍵は回ったからかけたことは明白だ。それなのに…
「犯人は嶺亜くんの部屋の鍵も持ってるってこと…?合い鍵…?」
ようやく谷村が掠れた声を出すと嶺亜は小さく頷く。
「…ていうかぁ…普通に考えればこの場合全部の部屋の鍵を管理してる人が一番怪しいんだけどねぇ…マスターキーがあるかもしんないしぃ…」
「え、それって…」
嶺亜は頷く。そして絶対零度を放った。
「管理人か、管理人室に自由に出入りできる奴かなぁ」

つづく

134 :ユーは名無しネ:2014/06/15(日) 20:03:13.88 0.net

『こういうことでしか、表現できないんだよね』といつか嶺亜兄ちゃんは言った。俺の『どうしてこんなことをするの?』という問いに。
母親が再婚し、見ず知らずの他人と暮らすのが…あるいは母親が知らない男と一緒になるのが嫌だ、と言えないから…だからこうやって…
俺は継母の今さっきのぼやきからそう推測し、結論付けた。それなら全て辻褄が合うからだ。
だけど、それは全く見当はずれだということを、起き上がって暗闇の中でも薄ぼんやりと見てとれる嶺亜兄ちゃんの表情が示していた。
「何を言ってるの…?」
理解不能、という意志がそこには現れていた。てっきり俺は「そうだよ。だから…」と冷たく嶺亜兄ちゃんが言い放つのを予測していたからそれは予想外もいいところだった。
その嶺亜兄ちゃんの反応に面くらってしまって黙りこくっていると、嶺亜兄ちゃんの顔は能面のような無表情に戻って行く。そしてまた蒲団を被って俺をシャットアウトした。
「嶺亜兄ちゃん」
弾かれるようにしてどうにか動いた身体を近付かせると、いきなり目の前に何かが飛んでくる。
それは枕だった。軽い衝撃にうろたえていると、次に耳を刺すような大声が轟く。
「出て行けって言ってるだろぉ!!お前の顔なんか見たくもない!!さっさと出て行け!!出て行け!!」
いきなりの感情の爆発に俺が硬直している間にも嶺亜兄ちゃんは取り乱したように叫ぶ。その声を聞きつけた両親がやってきて部屋の灯りをつけた。
「どうしたんだ?龍一、嶺亜…一体何を…」
「嶺亜…?あなたどうしたっていうの…どうしてこんな…」
「龍一、説明しなさい!嶺亜、落ち着いて。この子が…龍一が何かしたのか?おい龍一!」
父の目は俺を責めている。継母は嶺亜兄ちゃんを落ち着かせようと必死で声をかけていたがそれでも嶺亜兄ちゃんは同じことを叫び続けていた。
俺は答えを間違ったんだ。
消えてしまいたいほどの自己嫌悪と否定の向こうで、ただそれだけが嫌にはっきりと脳に刻まれていた。

.

91 :ユーは名無しネ:2014/05/08(木) 00:18:51.35 I.net

たにれあやばい!
栗ちゃん懐かしいね…これからも小説に登場させたいな!

25 :ユーは名無しネ:2014/03/09(日) 19:26:51.66 0.net

びびって取り乱す岸くんの可愛さと幼稚さにまた高橋が胸をきゅんとさせていると突然墓場の中から人影が飛び出す。その人影は岸くんに抱きついた。
「はああああああ岸くん先生のピンチ!!ていうかうらやましい!!岸くん先生から離れろおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
逆上した高橋は高速ヘッドスピンを始めた。
「ちょ、待て…!!おい颯、俺だ、神宮寺だっつってんだろおい!!」
「神宮寺とりあえず俺から離れてえええええええハリケーンが来るうううううううううう!!!」
岸くんが必死に高橋のヘッドスピンを止めようと抱きついてきた神宮寺を離そうとすると今度は後頭部に激痛が走った。
「いで!!なんだこれ…いで!痛い痛い!!」
細かい粒のようなものが次々に当たってきて岸くんは悶えた。
「オバケはどこだ…この羽生田挙武が成敗してくれるわ…フフフ…!!」
なんとそれはライフルを持った羽生田であった。すでに目がイっていて説得は困難な様子である。もう無理。岸くんは全力で逃げた。走って走って走りついた先には…
「…岩橋?」
ゆらりと誰かが立っているのが見える。背格好は岩橋のように見えたから恐る恐る近づいたがやはり彼である。ちょっと安心して気を抜いたのだが…
「え?」
いきなりがしっと両腕を掴まれたがそれが尋常な力ではなかった。野球経験者とはいえどちらかというと華奢な岩橋の腕力とは到底思えない剛力…岸くんは本能的に恐怖を覚えたがもう遅かった。
「岸くん…トントンしてあげるね…」
すでにその眼はいつもの頼りないウェットな岩橋のそれではなかった。瞳の奥が妖しく光っている。最早それは人間のものではなく悪魔そのものだった。

108 :ユーは名無しネ:2014/05/30(金) 19:57:06.56 0.net

気を確かに持て本高克樹。お前には男の先輩の寝込みにハァハァするよりもやらなくてはいけないことがあるんだ。
もっとダンスも歌も上手くなってパフォーマンスに磨きをかけて勉学との両立を達成する。将来の夢である医者に向かって日々勉学に勤しみ、そして…
本高が自分自身を戒め始めたその時であった。
「なぁに?」
美しい瞳が開いて、可憐な唇が動いた。
本高は心臓麻痺をおこしそうになった。時間を巻き戻せるなら数分前に戻したい。
この状況は誰がどう無理矢理な論理的展開をしようとも最終的帰結は「寝こみを襲おうとした」ただ一つ。どう言い訳しても不可能。裁判なら確実に実刑モノだ。
もう駄目だ。明日から僕は嶺亜くんにとんでもない非人道ド変態痴漢野郎として汚物を見るような侮蔑の絶対零度を浴びせられるのだ。
生憎僕は谷村のようにそこに快感を感じるような性癖は持ち合わせていない。やっぱり好きな人には優しくされたい。でももうそれも終わりなんだそうなんだ…せっかく復帰したのにもうサヨナラだ。
「す…すいません…」
泣きそうになっているとしかし嶺亜はふっと笑う。こんな状況なのにその天使のような微笑みにクラっとくる。
その天使はこう言った。
「謝ることないのにぃ」
こんな状況においても優しい言葉をかけてくれるなんて感涙しきりである。本高は元々涙腺が弱いだけに泣きそうになった。先程とは違った種類の涙である。
「本高はホント可愛いよねぇ」
夢かなんかを見ているのだろうか?嶺亜はお得意の小悪魔な微笑みと共にそう囁く。
ぽや〜っと魅入っているとしかし嶺亜は少し目を細めて
「何しようとしてたのぉ?」
と問う。もちろん言えるはずがない。また背中に汗をかいた。
「え…えっと…」
口ごもっていると今度は嶺亜はけらけらと笑った。ころころ変わる表情もチャーミングだなぁ…とまた本高は状況を忘れてそう思ってしまう。嶺亜にはそんな魔力があるようだ。
「言えないようなことしようとしたんだぁ」
また表情が変わる。蠱惑的な微笑み…しかも嶺亜は本高の首の後ろに腕を回してきてまるで誘うように力をこめた。

211 :ユーは名無しネ:2014/08/24(日) 17:04:16.20 0.net

神7シネマ劇場「少年の頃」

       僕達が出会ったのは全くの偶然だった

「あのさ、俺転校するんだわ、夏休みの終わりに」
一学期もそろそろ終わろうかというある暑い夏の日、いつものように屋上でだべっていると急に倉本郁がそう呟いた。
「は?転校って?」
神宮寺勇太が食べかけのスナック菓子を吹きながらそう返す。
「ちょっと待ってよぉ、郁ぅまたなんかの冗談?」
中村嶺亜が倉本の顔を怪訝な表情で覗きこむ。
「そんなこと言って…また『ハイ騙されたー』とかって言うんでしょ、どうせ」
岩橋玄樹が呆れ気味に浅い溜息をつく。
「だったら具体的に聞かせてもらわないとな。ほれ、言ってみろ、どこのどの学校に転校するっていうんだ?」
羽生田挙武はペットボトルのお茶を一気に流し込み倉本にけしかけた。
4人はいつもの倉本の冗談だろうとあっさり片付けようとした。
だがそうではなかった。倉本の口から詳細な内容が語られる。最初は聞く耳をもたなかった4人もそれが現実味を帯びてきたことで神妙な面持ちになり始めた。
小学校からの腐れ縁で、住んでいるところも、趣味も、性格もバラバラだったが不思議といつも一緒にいた。5人揃って同じ高校に進学したのもまた偶然。示し合わせたわけじゃない。だからこそその結びつきは強いと言えよう。
それが突然、別離の時を迎えた。
会いに行けない距離じゃない。永遠の別れでもない。むしろ、進学が別になれば遅かれ早かれやってくる別れである。
それでも、4人は寂しかった。それぞれが口に出すことはないが…
「このままサヨナラってのもなー」
終業式の帰り、神宮寺がそう呟く。その一言をきっかけに倉本を誘って夏休みに5人で旅行に行こうという計画が立ちあがった。マクドナルドで店員が嫌な顔をするまでぎゃあぎゃあとその行き先や日程についてポテトM一つで何時間も検討し、それは決まった。
「羽生田様に感謝感謝だなー。太平洋リゾートなんてよー」
似合わないサングラスをかけ、神宮寺は波止場で大スターのように佇む。それを岩橋が可笑しそうに笑う。
「神宮寺大げさすぎ。一応東京都じゃん」
「早く泳ぎたいよぉ。日焼け止め塗るの手伝ってねぇ郁ぅ」
わくわくしながら嶺亜はぴょんぴょん跳ねている。
「リゾートねえ…羽生田、そんな大層なモンなの?」
倉本が訊ねると羽生田は皮肉な笑みをもらした。
「まぁ正直な話、リゾート崩れかな。うちの父親の知り合いが経営してるみたいなんだけど、大分昔…バブルの頃にリゾート建設しようとして頓挫した施設を買い取って改装したみたいでね、タダ同然の格安で泊めてくれるという話だから。おっと迎えの船が来た。あれだぞ」
羽生田が指差した先には漁船のような小さな船があった。5人ははしゃぎながらそこに乗り込む。

16 :ユーは名無しネ:2014/03/02(日) 20:30:56.34 0.net

第二組 嶺亜&栗田&顕嵐トリオ

「両手に王子様とか僕幸せだよぉ」
中村はごきげんだった。右には栗田、左には顕嵐とイケメン二人に囲まれてうきうきピクニック気分である。墓石はカルストに見えなくもないし、枯れ木には花が咲いているように思え、カラスの鳴き声も小鳥のさえずりに聞こえるようだった。
オバケが出てきたらどっちに抱きつけばいいだろう…頭はそんな悩みでいっぱいだ。
「おいおめーくっつきすぎじゃね?ちょっと離れろ」
栗田は中村の肩を抱き寄せて顕嵐を牽制した。
「あ、ごめん」
顕嵐はスマートな動きで一歩離れる。ああ、紳士イケメンと自然体イケメンのどっちを選べばいいのぉ…?れあくりはジャスティスだしぃフォーエヴァーだけどぉれあらんも最近キてるよぉ…と中村が脳内にお花畑を作っていると懐中電灯であたりを照らした顕嵐の顔が青ざめた。
「どぉしたのぉ顕嵐くん?もしかしてオバケぇ?」
中村が問うと、顕嵐は首を横に振って少し震える声でこう囁いた。
「ここって意外と高いんだね…こっちが崖になってて…」
言われてみれば道の脇は急な崖になっていてかなりの落差だった。落ちたらひとたまりもないよぉ、と思っていると顕嵐がこう告白する。
「実は高所恐怖症で…オバケより高いところが苦手なぐらいで…」
「ギャハハハハ!俺は高いとこ大好きだぜ!!」
栗田が得意げに叫ぶ。中村はうんうんと頷きながら
「そうだよねぇ栗ちゃんと煙は高いところ好きだもんねぇ頼もしいよぉ」
と握った手に力をこめる。頼もしい栗ちゃんも素敵だけどイケメンが怯えてるところもまたいいよぉ…とうっとりしながら中村はもう一方の手で顕嵐の手を握った。
「怖い時はぁこうして手を握れば怖くないってJJLっていう番組で見たよぉ」
三人で手を繋ぎながらスキップ気分で中村は栗田と顕嵐とともに先を行くと、少し行ったところで見覚えのある人物が見えてくる
「あれぇ?」
そいつは全速力で逆走して通り過ぎて行った。

.

374 :ユーは名無しネ:2014/10/23(木) 19:49:08.86 0.net

「…なんかざわめいてない?」
岩橋が教室の前に着いた頃首を傾げた。中に入ると確かにクラスメイト達がざわめいている。その視線の先は…。
「何これ…」
岸くんはデジャヴに襲われた。昨日の4限終了時と同じ光景がそこに広がっていた。
ただ、あの時は神宮寺の机だったが、今度は…
「嶺亜…」
めちゃくちゃに荒らされた机の前に、無表情の嶺亜が立っていた。机の中に入れていたであろう教科書やノートの類はビリビリに破られ、机には無数の切り傷、椅子にも同様に刃物で傷つけられたような跡があった。
「一体誰がこんな…」
「うっす岸くんおはよー」
唖然としていると、神宮寺が後ろからやってくる。彼は教室に入るなり目を丸くした。
「え?おい、なんだよこれ…」
皆の視線が神宮寺に集まる。嶺亜の机の惨状と、その視線を受けて神宮寺は事態を把握したのか戸惑いを見せた。
「え、俺じゃねえぞ…」
そう、皆の視線は神宮寺を疑っている。
「俺じゃねえぞ!俺だって昨日おんなじ目に遭ったんだから…なんで俺のこと疑うんだよ!?」
そうだ。確かに神宮寺は昨日同じような目に遭っている。
だけど、誰かがこう呟いた。
「…仕返しにしてはひどいな…」
「そういや今朝早くに寮出ていくの俺見たし…」
ヒソヒソと、クラスメイトは囁き合う。神宮寺はその囁きの元に突っかかって行った。
「おい!俺は仕返しなんかしてねえぞ!!早く出たのだって教室じゃなくてグラウンドで身体動かしてただけだし、なんで俺がそんなことしなくちゃなんねえんだよ!!」
一転して疑われ始めた神宮寺に、昨日の嶺亜と同じく誰も擁護する者はいない。そう、状況証拠が揃いすぎているからだ。
しかし騒ぐ神宮寺達には目もくれず、嶺亜は表情を殺して散乱した切れ端を無言で片付け始める。その後ろ姿はさすがに痛々しくて、岸くんは思わず身体が動いた。
「…岸ぃ?」
「教科書、俺の見せてやるよ。先生に言えば新しいやつくれるだろうから…」
散らばった紙片を集めながら岸くんは嶺亜にそう言った。そう言うしかできなかった。
一体誰がこんな…怒りすら抱き始め、岸くんは一つの使命感に燃えた。
神宮寺と嶺亜に嫌がらせした犯人を、何がなんでも付きとめて謝罪させてやる…
そう闘志を燃やしながら、岸くんは拳を握りしめた。

.

395 :ユーは名無しネ:2014/11/01(土) 20:41:02.39 0.net

初書き込みです 作者さんいつも面白い話をありがとうございます!

127 :ユーは名無しネ:2014/06/12(木) 20:33:35.80 I.net

126です
読んでくれた人ありがとう
携帯だから予測変換で谷茶浜って出たみたい。
指摘されて初めて気づきました
部活で疲れてたからかな…

ア…栗田はたとえやめてても神7は永久不滅のForeverだから問題ない!

162 :ユーは名無しネ:2014/07/10(木) 14:43:16.30 0.net

夏休みにはまだ早いけど最近変なの沸き過ぎ
>>159-161辺りは流石にキモイから半年ロムれ

作者さんいつもありがとう
ガムシャラでれあたんがトマト食べてるのに何故か興奮してしまった

48 :ユーは名無しネ:2014/03/23(日) 16:49:58.23 0.net

「まずい…非情にまずい…」
「何がまずいの龍一?嶺亜くんの作ったご飯まずいなんて言ったら素っ裸で外に放り出されて二度と家に入れてもらえなくなるから滅多なこと言わない方がいいよ」
隣で筋トレをしながら颯がトンチキなことを言っているが龍一はそれに付き合う余裕がない。なんとかしてこの危機的状況を脱しなくてはならない。考えろ、考えるんだ龍一、お前の頭脳はこんな時のためにあるんだろうが。
颯を無視して思案にあけくれていると彼は「あ」と何かに気付いたように筋トレを一時中断した。
「始まっちゃった。まだ10時なのに。今日は早いね」
時計を見ながら颯が呟いたと同時に壁の向こうから艶めかしい声が響いてきた。
「やだぁ…パパ、ちょっとそんなの無理ぃ…んっ…んんっ…!!」
忘れていた設定ではあるが龍一と颯の二人部屋は岸くんと嶺亜の寝室の隣である。壁一つ隔てて夜はあの声がわりとダイレクトに聞こえてくるのだ。
「あっ…やだっ…ダメだってばぁ…」
「もうちょっとだけ…ここをこう…おおっ…おおお」
「パパぁ…絶対出したらダメだからねぇ…黙って出したらもうしてあげないよぉ」
「分かってる分かってる…あっ…いい…!」
龍一は絶句する。こんなの聞かれたらもう終わりだ。三月は岸くんが長期出張があったりして随分溜まっているのか回数も内容の濃さもハンパない。
「始まったか!よしきた!今日のプレイは何かこの勇太お兄様が当ててみせようぞ!」
そうすると嬉々として盗み聞きに勇太がやってきて勝手にY談にお花畑を作るのである。エロ談義独演会を始めてティッシュ持って来いとパシられた。

214 :ユーは名無しネ:2014/08/24(日) 17:07:07.98 0.net

「わあ…」
吹きぬけのホールにシャンデリアがぶら下がっていた。嶺亜と岩橋はテンションマックスである。二人できゃあきゃあ叫びながらホール内を見渡していた。
岸くんが「オーナーを呼んでくる」と言って奥に消え、その5分後に柔和な顔つきの恰幅のいい中年男性が現れる。ハンカチ片手に汗をかいていた。
「どうもすみません、こんなところまで歩かせてしまって…どうしても離れられない仕事があって、優太くんに任せてしまった。あ、羽生田さんとこの…大きくなったね」
中年男性は羽生田を知っている風だったが羽生田本人にその記憶はない。聞けば、幼少の頃羽生田一家と会っていたそうである。仕事上の付き合いがあったらしい。
「見てのとおり、建物は立派だけどお客さんも少なくてね。物好きな旅行者とか、島の者の親戚とかが泊まってるくらいだから気兼ねはいらないよ。そうだ、部屋の鍵を渡しておこうね」
オーナーから鍵を手渡され、さて部屋の場所は…と4人が思っていると彼は大声で誰かを呼びつけた。
「颯!颯はいるか!?ちょっと来なさい」
ややあって、奥の扉からまた一人の少年が出て来た。すらりと背が高く、整った顔立ちの清潔感のある16〜7歳くらいの少年が姿を現した。
「部屋に案内してやってくれ。いい機会だから友達になるといい。こっちの挙武くんとお前は小さい頃何回か会ったことがあるんだぞ」
中年男性の息子だと紹介された少年は緊張気味に挨拶をする。
「初めまして…ようこそ。高橋颯です…」
「ちょっと人見知りだけど悪い子じゃないんでね。仲良くしてやってくれ。じゃあ颯、頼んだよ」
父親に任せられて颯は鍵の束を持って案内して回る。
「部屋は全部ツインなんだけど…5人なんだよね?とりあえず3部屋分の鍵を渡しておくね。まずこっちが…」
颯の案内を受けていると、階段で岸くんと擦れ違う。彼は掃除道具を担いでいた。
「お、岸くんじゃん」
神宮寺が声をかけると岸くんはくしゃっと笑顔を向ける。人懐っこい笑顔は人を安心させる作用があるかのようだった。
その岸くんに、颯が少し焦ったように話しかける。
「岸くん、掃除なんていいって言ったのに…おじさんの側にいてあげなよ」
颯が岸くんから掃除道具を受け取ろうとすると彼はそれを手で制止した。
「親父は大したことないから。何かしてた方が気が紛れるし。俺、忙しくしてないと駄目なんだよね」
「でも…」
「いいからいいから。俺はここの従業員なんだからさぼるわけにいかないよ。次は彼らの夕飯作る手伝いしなきゃ」
「え、岸が僕達のご飯作るのぉ?大丈夫ぅ?」
不安げに嶺亜が訊ねると岸くんは胸を張る。
「俺こう見えても料理わりかし得意なんだよ。得意料理はオムライス」
「そうなのぉ?僕オムライス大好きぃ」
嶺亜が可愛らしい仕草で喜ぶと、岸くんは照れながら
「まぁ、夕飯は島の郷土料理だけどね。俺は材料切ったり盛りつけたりするくらい」
と謙遜し、ぱたぱたと階段を降りて行く。
「岸くんと知り合いなの?」
驚いた表情で颯が問う。岩橋がいきさつを話すと彼は「そうなんだ…」と呟いた。
どこか寂しげに見えたその瞳はしかしすぐに元の純度の高いものに戻り、颯は部屋に案内してくれた。

10 :ユーは名無しネ:2014/02/23(日) 19:15:40.79 0.net

「宮近、どしたの?」
美勇人が声をかけると子窓のようなものを開けて見ていた(何故そんなことをしていたのか分からないが)宮近が青白い顔を更に青白くさせて指をさしていた。
「なになに?なんかあるの?」
興味本位で岸くんがその子窓を除くと暗闇の中に薄ぼんやりと何かが浮かびあがっている。岸くんは己の視力の良さをこの時ばかりは呪わずにいられなかった。
これって所謂一つのつまるところ率直に言うところ「幽霊」ってヤツですか…?
「うわあああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!」
認識すると同時に全裸で大浴場を飛び出していた。丁度居合わせた教頭にまた怒られるがそれでも岸くんはまっしぐらに部屋に戻った。
部屋に戻った岸くんを待っていたのは季節外れの大怪談大会だった。真っ暗な室内の真ん中に蝋燭の火だけが揺らめき、そこに青白い顔が…
「それでねぇ…その和尚さんが振り向いたらぁ…和尚さんの顔がぁノッペラボーでぇ…」
「ぎぃやぁあああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
岸くんが腰を抜かして大絶叫すると連鎖反応で皆もびびりだす。幽霊だと思ったのは怪談を話す中村だった。あまりにも色が白いから見間違えてしまった。

379 :ユーは名無しネ:2014/10/26(日) 03:39:54.66 0.net

徐々に話が進んできてドキドキしますな…
続きも楽しみにしてます!

332 :ユーは名無しネ:2014/09/27(土) 19:17:42.31 0.net

「幽霊?そんなもんいるわけないだろ。来て早々変な噂流すのはやめなさい」
幽霊のくだりは一蹴され、全く信じてもらえなかった。確かに見たのに…と涙目になったが怖かったし忘れた方がいいのかもなあと岸くんはそれ以上主張しなかった。
「授業は明日からね。えっと…岸くんは瀬久菩寮の方ね。瀬久菩寮は南校舎の一番端…西側のね。そこから入れるから。部屋番号は寮の管理の人に聞いて」
そうなのだ。この神7学院は全寮制の男子校で軽く世間から隔離されている。今どき珍しいが岸くんには選択肢はなかった。言われたとおりに進むとさっきぶつかった三人組とばったり会った。
「何、転校生だったのかよ。良かったなー俺がデキた人間で。本来ならリンチものだぞ」
金に近い茶髪のチャラそうな少年は岸くんとぶつかった奴だ。「神宮寺」と呼ばれていた。
「一体何をそんなに慌ててたっていうんだ。しかも君、正門の方から来なかったか?物好きだな。あんなハイキングコースまがいの道をわざわざ通るなんて」
軍人のような姿勢と言い回しの「羽生田」と呼ばれた少年が呆れ気味にそう呟いた。岸くんは「へ?」と間抜けな返ししかできない。それを「岩橋」と呼ばれる気弱そうな少年が説明した。
「神7学院はね…正門から入ると細くて長い道をずっと駆けあがらなくちゃいけないけど…西門の方からくれば直通のエスカレーターがあるんだよ。来校者はそっちしか使わないよ」
岸くんはショックで倒れそうになった。あんなにしんどい思いをして雨に打たれて幽霊にまで遭遇したのになんという仕打ち…
気を遠くにしていると、神宮寺が
「瀬久菩寮ならこっちだぜ。俺らも瀬久菩寮。まーこの神宮寺センパイが色々教えてやんよ。ん?岸くんっつうのか。ところでSMとか好きそうな顔してるよな。お近づきのしるしに神宮寺特選エロ動画見せてやってもいいぜ」
と肩を組みだした。見た目を裏切らないチャラさだ。
「もう神宮寺…そういう道に誘い込むのやめなよ…あ、お腹痛くなってきた…」
神宮寺を諌めたかと思うと岩橋はお腹をおさえだした。それを羽生田がやれやれと浅い溜息をつきながら見る。
出会いはともかくなんだか悪い奴らではなさそうな気がして、岸くんは彼らなら幽霊を見たという岸くんの話も信じてくれそうな気がして話してみた。すると返ってきた答えは少々意外なものだった。

161 :ユーは名無しネ:2014/07/09(水) 21:29:35.21 I.net

もっと【裏7】の作品が見たいです!
気が向いたらでいいのでいつか書いてくださると有難いです!

160 :ユーは名無しネ:2014/07/06(日) 13:38:48.87 0.net

160さん
それいいと思う!
作者様時間があったら作ってください!
なんて言ってみたりしてwww

290 :ユーは名無しネ:2014/09/06(土) 20:18:39.59 0.net

>>286
君、頭大丈夫?

175 :ユーは名無しネ:2014/07/20(日) 18:06:48.86 0.net

「僕も龍一のことが…好き…」
龍一の動きは止まる。
「龍一が好きだけど、そんなこと言えないからあんなことしたの。そうすれば嫌われても大丈夫だって。こんなことしたからしょうがないんだって思えると思ったんだ」
僕の中でどうしても言えなかったことが、決壊したダムの水のように流れ出る。放出は止まらない。とめどなく溢れる水のように思いが声となって流れた。
「だけど龍一は僕の言いつけを守って誰にも言わないからそれが僕の中で気持ちを表現できる唯一の方法になっちゃった…でも龍一は僕の気持ちなんて気付くこともなくて、それを再婚したお母さんへの当てつけだって誤解してるから、それが哀しかった。
勝手だとは思うけど僕にはどうしようもなく辛かったんだ。だって、龍一も僕のことが好きだなんて思わなかったから…」
龍一は黙って聞いていた。僕は彼の返事を待つ。だけど龍一からの返事はなかった。
言葉の代わりに、龍一は行動で僕に伝えてきた。何故か僕にはそんな確信があった。
放置されたゲーム機が相変わらずチープな音楽を奏でていて、僕達はそれを遠くで聞きながら無言でお互いの気持ちを確かめ合った。言葉はなくても、それ以上に確かなものが存在している気がして不思議な安心感に包まれる。
僕と龍一の関係は誰にも言っちゃダメだけど、二人でいる時だけはその例外なんだ。
そう、二人きりの時だけは…
秘密を抱えて生きることは苦しいって誰かが言っていたけど、僕達にとってこの秘密は安らぎすら与えてくれる。
だから誰にも言っちゃダメ。
お互いにそれを確認して、僕と龍一は一晩中誰にも言えないことをした。

.

244 :ユーは名無しネ:2014/08/27(水) 21:10:04.97 0.net

「おっちゃん岸絶好調だったなー!!見てたんだろ?」
恵が話しかけた中年男性は岸くんによく似ていた。笑うと目尻に深い皺が刻まれ、人懐っこそうな笑顔がそっくりだ。嶺亜はすぐに岸くんの父親だと分かった。
「あいつにゃあれしか取り柄ねえからな。おっと恵、この子は島の子じゃねえよな。優太が言ってた本土からの子か?さっきも二人ラムネ売り場に来たけど」
岸くんの父親は嶺亜をちらりと見やって問う。恵が頷きながら答えた。
「可愛いだろ!!れいあっていうんだぜ!名前も可愛いだろおっちゃん!」
可愛い可愛いと恵に言われ、嶺亜はくすぐったいやら嬉しいやらで少し照れる。はにかんでいると岸くんの父親はまじまじと嶺亜を見つめた。
「うちの女房の若い頃に似てる気がするな。あいつも色、白かったしなあ」
「おい変なこと言うなよおっちゃん!ダメだかんな、れいあは俺の…」
俺の、なぁに?とドキドキしながら続きを待ったがしかし岸くんの父親は誰かに呼ばれてそっちに返事をする。そして挨拶もそこそこに行ってしまった。
ちょっぴり残念に思いながらその後ろ姿を恵と見送る。
「あれぇ?」
嶺亜は首を傾げた。
「岸のお父さん、足、怪我してるのかなぁ。びっこひいてるよぉ」
杖こそついていないが岸くんの父親はぎこちなく歩いて行く。少し気になったのである。その問いに恵が答えてくれた。
「うんにゃ。おっちゃんは片方の足がわりーんだ。昔怪我してよ。それから」
「そぉなんだぁ…」
「おっちゃんは元々漁師だったんだけどな、怪我してその仕事できなくなって颯んとこが経営してるホテルや会社の手伝いしてるって聞いた」
「ふうん…じゃあお父さんが怪我しなかったら岸もいずれ跡を継いで漁師になってたってことぉ?」
「そういうことになんのかな…あいつん家はじいちゃんも漁師だったらしいし。けど、岸が漁師ってあんま想像つかねーよなー」
「そぉだねぇ」
笑い合いながら外に出るともう夜の帳が降りていた。街灯が少ないし人家もまばらで、そのまばらな人家の人達もほとんどまだこの祭会場にいるから闇が広がっている。
ふと、湿った風が頬を撫でた。
嶺亜が空を見上げると、さっきまで雲が薄く張っていただけの空には星は見えず、代わりにぽつぽつと雨が滴ってきた。
そしてその雨は、あっという間に豪雨に変わった。

つづく

44 :ユーは名無しネ:2014/03/23(日) 16:45:49.56 0.net

「医者か!!いいな!診察で美女の裸体拝みたい放題だし産婦人科とかいいかもな!!美人ナースもいりゃあ天国だろうな。よし、女医モノでも探すか!」
ああまた下ネタ大魔王がぶち壊しにしたよ…と龍一が自我修復をしかけると本高はうんうんと頷く。
「産婦人科は今本当になり手がいないみたいだからそれも視野に入れてるんです。生命の誕生に携わる大事な仕事だしやりがいはきっとあるだろうから」
澱みのない瞳で本高がそう答えると挙武が「ほう…」と感心したように呟く。まあ挙武兄ちゃんはこの中では常識のある方だし秀才同士話も合うんじゃないか…と龍一が落ち着きかけていると挙武はいきなりその眼をヘッドライトのようにした。
「それではお近づきの印に僕がモノマネで迎えよう!まずは藤ヶ谷君のラップ…フジラップだ!!その次はサクラップ!サランラップはニュークレラップ!!」
いきなり立ち上がり、挙武はラップだのモノマネだのクオリティの低いものから高いものまで次々と連続で披露する。春の訪れとともにどうやら挙武の頭の中にはサクラが咲いているようである。恵と勇太がバカ笑いで盛り上げ、どんちゃん騒ぎである。いつものパターンだ。
「騒がしい家族でごめんねぇ。これからも龍一と仲良くしてあげてねぇ。暗くてネガティブで負のオーラと負け神を生まれつきしょいこんだどうしようもない弟ですけどぉ」
最後は嶺亜がぶりっこ全開で本高の手を握る。すると岸くんがオホン、と咳払いをする。郁は本高そっちのけでひたすら食べていたし颯はトレーニングのため空気椅子で食事をしていた。

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241 :ユーは名無しネ:2014/08/27(水) 21:07:38.35 0.net

祭は大賑わいだった。今日ばかりは島の全人口に近い数がこの小中学校に集まる。お年寄りから乳飲み子まで実に色んな年齢層の島民でごったがえしていた。
「祭があると分かってれば甚平を持ってくるんだったな」
あんず飴を舐めながら羽生田が呟く。もう片方の手には焼きそばの皿が乗っていた。
「浴衣ギャル浴衣ギャル…」
茹でトウモロコシをかじり、トッキュウジャーのお面を額に当てながら神宮寺は浴衣ギャルをリサーチしている。だが素朴な島の女の子が何人かいるだけで彼の求めるような人種はいなかった。岩橋はとっくに呆れて倉本と瑞稀の和太鼓を見に行った。
「あーくそ、やっぱ神宮寺眼鏡にかなう子はなかなかいないぜ…しかし喉渇いた…」
「お、あそこにラムネが売ってるぞ?」
「マジ?サイダー好きとしては飲まない訳にいかないぜ、行くぞ羽生田、お前の奢りな!」
神宮寺は羽生田をひっぱってラムネ売り場に急ぐ。
「すいやせん、ラムネ二本!!」
勢い良く二本の指を突きだして神宮寺はラムネを注文する。売り場のおじさんは「島の子じゃないよな?」と神宮寺と羽生田をまじまじと見据えた後ラムネを差し出しながら、
「ああ、優太が言ってた本土から遊びに来た子らってのはおめえらか。確かに面白そうだな」
「え?おっさんなんで俺の名前知ってんの?」
神宮寺がラムネを呷りながら訊き返すが「ゆうた違いだろ」と羽生田がつっこむ。
「岸くんのお父さん?そういやどことなく似てるような…」
印象的な、ぱっちりとした岸くんの眼とラムネ売りのおじさんは似ている気がした。年を取った分瞼が下がってはいるが若かりし頃はきっと今の岸くんのような感じだったろう。
「優太が相手してもらってるみたいで。あいつはすぐ涙目になるけど気だけはいい奴だから仲良くしてやってくれや。これはおまけだ」
おじさんはそう言ってラムネをもう二本くれた。
「もうすぐ盆踊りが始まる。あそこの櫓の下の台に優太が見本で踊るから行ってやってくれ。その後体育館でワンマンショーやるからよ。まあ見てやってくんな。あいつはギャラリーがいた方がやる気出るから」
校庭の中央に立つ櫓を指差しておじさんは誇らしげにそう教えてくれた。神宮寺と羽生田が頷くと誰かに呼ばれておじさんは売り場を離れる。座っている時は気がつかなかったが足が悪そうだった。びっこをひいてそこへ向かって行く。
「えー…間もなく盆踊りを始めます。皆櫓の周りに集まって下さい」
校庭にアナウンスが流れる。岸くんの声だった。神宮寺と羽生田はラムネ二本を一気に飲んで櫓の下へと向かった。

.

158 :ユーは名無しネ:2014/07/05(土) 14:59:41.45 0.net

龍一の受験の話は前スレでやってたよ。まとめサイトにはまだ載ってないのかな?

70 :ユーは名無しネ:2014/04/28(月) 23:37:42.63 0.net

「あーもぉ寝グセついちゃってるよぉ。やだなぁもぉくせ毛はぁ」
髪の毛をいじいじしながら門の前で車から降りるとちょうど友人の高橋颯が通りかかる。
「あ、おはよう嶺亜。あれ、髪の毛変じゃない?」
「もぉ気にしてんだからさぁ。朝ご飯ゆっくり食べ過ぎて気が付いたらドライヤーの時間なくなっちゃっててさぁ」
「だったら朝ご飯を食べなきゃいいんだよ!どうせお昼にはお腹すくし」
自信満々に颯は言った。嶺亜はあーはいはいと適当に流しておいた。
高橋颯は一つ年下の幼馴染みである。この春同じ高校に進学するということで色々と高校について教えてあげている。相変わらず発想が突拍子もなく破天荒だ。こういうところは嫌いではないのだがたまについていけない。
お昼休みに二人で屋上で弁当箱を広げると颯は袋詰めされたパンをどかどかと出して来た。その全てがメロンパンである。
「見てるだけで甘ったるいよぉ。そんなに糖分摂ってるくせになんでそんな筋肉質なのぉ世界7不思議の一つだよぉ」
「糖分が筋肉にいいってことじゃない?嶺亜も食べる?」
「僕はいいよぉ。お弁当残して帰ったりしてそれが挙武にバレたらまたお説教聞かされるしぃ。そうだぁ、あのねぇ今日早起きして暇だったからぁ挙武の寝顔でも写メってやろうと部屋しのびこんだんだけどぉ
目覚まし時計が鳴ってるのに挙武ったらさぁ一向に起きる気配なくてさぁ一度止めて水でもかけて起こしてやろうと思ったら朝ご飯できましたよぉって言われてすっかり忘れてたら挙武が血眼でリビングに来てさぁ」
「嶺亜のイタズラは挙武にとってシャレになってないものばっかりだから…挙武怒ったでしょ。またこんなカッと目見開いてなかった?」
颯はそう言って挙武のヘッドライトアイズの物真似をする。けらけら笑っていると颯が急に何かに視線を奪われて話が中断されてしまった。
「あ…ふうん…なるほどぉ」
颯の視線の先にはとある人物がいる。そこで嶺亜は察した。
「かっこいいよねぇ。髪切ってなんか男らしくなったっていうかぁ…大人っぽく見えるよねぇ」
耳元で囁いても颯は聞いていない。ぽ〜っと魅入られている。
それを微笑ましく見ながら、暫く会話になりそうもないのでスマホをいじるとラインが入っていた。
「げ」
それは挙武からで、今夜は父親が客を連れて来て高級料亭に行くから予定は入れるなとあった。

.

344 :ユーは名無しネ:2014/10/04(土) 01:56:20.58 I.net

作者さん乙です、続き楽しみ!!!

256 :ユーは名無しネ:2014/08/30(土) 15:27:55.08 i.net

更新ありがとうございます
続きが楽しみ、期待して待ってる

205 :ユーは名無しネ:2014/08/14(木) 19:20:14.52 0.net

「どうもすみません、お先に失礼します」
会社を後にし、ダッシュで岸くんは駅に向かう。電車に乗り込むと知り合いにばったり会った。
「あ、岩橋」
「あ、岸くん。今帰り?お仕事御苦労さま」
「どうも。岩橋は?どっか行ってたの?」
「野球サークルの帰りだよ。今日は市内の練習場が借りられたから」
よく見れば岩橋の荷物はグローブやユニフォームなど野球グッズばかりだった。色白の肌が少し日焼けしている気がする。
それから最寄駅に着く数分の間会話をした。嶺亜が風邪で寝込んでいることを離すと岩橋は心配そうに眉根を寄せた。
「それはかなり一大事だね。岸くん、僕に手伝えることがあったらなんでも言ってよ。こう見えても一人暮らしをしてるから少しは家事についてもたしなんでるよ」
「ホントに?そうしてもらえると凄く助かる!皆で分担したんだけどいかんせんいつも家事は嶺亜に頼りっきりだから今一心配で…」
岸くんは岩橋の好意に甘えることにした。彼を連れて帰宅する。
「ただい…なんだこりゃ?」
玄関に無数の靴が散乱している。8人家族だからいつも多いと言えば多いがそれにしてもその倍はある。不思議に思っているとリビングから何やら騒がしい声が聞こえてくる。
「ただいま…って何これええええええええ!!!!!!!」
リビングのドアを開けるとそこには岸家の人々オールスターズかと思うような面子で溢れかえっていた。
キッチンには颯と朝日と郁と瑞稀、そして海人(うみんちゅの方)が立ち、薔薇の花束をかかえた顕嵐にお医者さんカバンを携えた本高になんだか分からない薬草の束を抱えた慎太郎がジャンケンをしている。
リビングでは閑也と海斗と勇太と挙武がAVのパッケージについて熱い議論を飛ばしている。何がなんだか訳が分からない。
「あ、パパおかえり!」
岸くんに気付いた颯が菜箸を握りながら手を挙げた。
「今すっごおく美味しい夕飯を作ってるからね!嶺亜くんの病人食は職人のうみんちゅさんに任せた!」
「食べ物のことなら任せて任せて」
海人は得意げに胸を叩いた。その横では郁と瑞稀が微笑ましくクッキー作りをしている。
「ちょ…これはどういう…」
岸くんが面喰らっているとジャンケンをしていた顕嵐と本高、慎太郎の決着がついたようである。
「では僕が先陣を切るということで…」
本高がいそいそとお医者さんカバン(ドラ○もんモデル)を手にリビングを出ようとした。
「ちょ、ちょっと待って、先陣を切るって…」
「あ、お父さん今晩は。岩橋くんもこんばんは。相変わらずお可愛いですね。あの、僕医者を目指す者として嶺亜く…お兄さんのウイルスを摂取しに…じゃなくて診察に窺おうと思いまして」
「し、診察?お、お医者さんごっこ?」
岸くんがイケナイ妄想をしかけていると顕嵐がバラの花束を抱えてこう言った。
「次は俺が。病に伏せってるレディの寝室に押しかけるのは趣味じゃないけど」
「…誰?」
なんか前回会った時とキャラが大きく違う気がして岸くんは目を擦った。そうこうしていると薬草だか漢方薬だかの束を抱えた慎太郎が岸くんの前に踊り出る。
「田舎の金沢の近くには薬で有名な富山があるから病に効く薬草を一通り揃えました。嶺亜の風邪はもう大丈夫です、お父さん」
「薬草って…そんな…ド○クエじゃあるまいし…あっちょっと本高くん待ちなさい!嶺亜は今面会謝絶だから!顕嵐くんこのバラありがたくいただくね!セクシーローズって品種なの、オシャレだね!
慎太郎くん薬草はちゃんとすりおろして使わせてもらうから庭に置いといて!ちょっと閑也、お前の弟たちなんとかしろよ!あ、瑞稀ちゃんいらっしゃいいつも郁がお会世話になってます。うみんちゅくんおかゆありがとね。あとで俺が部屋に持って行くから…颯?」
岸くんは一気に来訪者にまくしたてた後、颯が何やら怪しい液体を鍋で似ているのを見た。気のせいか物凄い臭いがそこから放たれてる。

89 :ユーは名無しネ:2014/05/07(水) 17:03:53.38 0.net

「…」
こんなにちっちゃかったっけ?とぼんやり思って自分の身長があの頃よりまた大分伸びているだけだということに気付く。少し見下ろすぐらいのその身長差がまた谷村の神経を昂ぶらせた。
黒いサラサラの髪、透き通るような白い肌に魅惑的な瞳が自分を捉えて見つめ合う…熱さのせいなのかなんなのか、谷村は頭がぼうっとしてしまう。すぐ近くにあるその嶺亜の顔に不思議な高揚感が呼び起こされ…
「…え?」
谷村はしかし、そうした幻想に浸ることを許されずぎょっとした。
合わせた掌から嶺亜が指をからませてくる。そして…
「…ちょ…」
思わず足に力が入る。踏ん張りをきかせていないとひっくりかえりそうなほどに重力がかけられて…
「れ、嶺亜くん!?」
まるで全体重を谷村にかけるかのように嶺亜はぐいぐいと押し寄せてきた。
「倒れちゃダメだよぉ。そしたら全部台無しだよぉ」
にたりと小悪魔的な笑みをたたえて、小声で嶺亜はそう呟いた。
「…ぎ…」
しかしこれはなかなかに辛い。そうこうしてる間にどんどん体重をかけてくる。大した重さではないがいかんせん動揺が先立ってしまって谷村は足が痙攣しかけているのを自覚する。
「ほら笑顔ぉ。苦しそうな顔してたらファンの子が何事だって思うじゃん」
「う…」
言われて咄嗟に笑顔を作ってみたものの、ひきつっていないか心配になる。だけど…
目の前の嶺亜は満面の笑顔だった。それは半分からかっているかのような笑いだったがそれでもその笑顔が自分に向けられて、こんな至近距離にあることを認識すると谷村は自分の顔面の筋肉が緩んでいくのが分かる。
態勢はかなり辛いのに、ずっとこのままでいたいと頭の奥で谷村の中の一番素直な人格が命じていた。
時間にして数秒…だけどその数秒だけはこうして見つめ合う喜び…それだけでなく、嶺亜特有の小悪魔めいた遊び心の餌食になっていることに悦びにも似た感情が全身を駆け巡っていた。
そして次の振りに変わる。そのまま手を繋いでくるくるとメインメンバーの周りを回る。
握った手に自然と力が入る。離したくない、だけどもう次の瞬間には離れていた。その温もりと感触だけが余韻のように掌に残っている。
「お疲れ。明日が最終日、皆疲れ残さないようにしっかり休んでがんばろう!!」
コンサート終了後、スタッフの締めに返事を返してJr達はそれぞれ着替えや帰宅準備にとりかかる。楽屋の中は当然のようにごちゃごちゃしていてこういうのが苦手な谷村はさっさと出ることにしている。
いつもなら、ここで出口に一直線だがその楽屋の前に来ると何故か足が止まった。

262 :ユーは名無しネ:2014/08/31(日) 22:31:43.73 0.net

すごいよ作者様…。
ほんとに乙です!
更新頑張ってください!

331 :ユーは名無しネ:2014/09/27(土) 19:17:03.89 0.net

「…?」
どうにか雨がしのげそうな木陰に身を宿したその時、それが目につく。
森のもっと奥の方…そこに人らしき陰が見える。動いているから少なくとも生物であることには間違いない。
まさかこんなところに熊なんか出没するはずもないから人間だろう。ちょうど良かった…道があとどれだけ続くのか聞いてみよう、と岸くんはその人影に近づく。
「あのーすみません、俺今日から転校してきたんですけど、この道あとどんだけ…」
声をかけて岸くんはぎょっとする。
まだ少し距離はあったがその人影はひどく白い。傘もささず濡れているから黒い髪の毛が目にかかってはっきり顔も見えない。その奥にある絶対零度を放つ冷たい眼差しに岸くんは戦慄した。
しかも、その人影はこう呟いた。
「見たなぁ…」
あ、無理。俺幽霊とかそっちの類は全然信じてないけどそれとこれとは別。怖いもんは怖い。ていうか足腰が震えだしたから今逃げないともう憑り殺されちゃう。
「ぎゃあああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」
ありったけの悲鳴をあげて無我夢中の死に物狂いで突っ走っていると今度は物理的な衝撃に襲われる。
「いっで!!どこ見て歩いてんだよ!!」
どうやら誰かとぶつかったようだ。だけど一応人間だ。岸くんは安堵でちびりそうになる。
「あああああああああああああ助けて助けて道は分かんないし幽霊には遭遇するしもう俺死ぬのかな!?嫌だ嫌だ嫌だ死ぬ前に桃に囲まれてトロトロになってトロピカ〜ル恋して〜るくぁwせdrftgyふじこlp;@!!!」
涙目になって相手にしがみつき喚き散らすとなんだなんだと人が取り囲む。
「なんだなんだ。変質者か?」
「かなり錯乱してるね…大丈夫かな…」
かけつけた教師らしき大人がなんだどうしたと人垣をかきわけて生徒達に事情の説明を促した。
「いえ僕らは別に…この人がいきなり神宮寺につっこんできて何やら訳のわからないことをのたまってるんです」
「羽生田の言うとおりだぜ先生!俺いきなり突進されたんだからな。ったくこのビューティフルフェイスに傷でもついたらどうしてくんだよ、なぁ岩橋!?」
「ビューティフルかどうかはともかく…危ないよね。いきなりぶつかってくるのは…」
あれやこれやで岸くんは職員室に引っ張られた。そこでようやく転入生だと理解してもらえたのだが…

184 :ユーは名無しネ:2014/07/27(日) 22:20:22.11 0.net

「龍一くん、大丈夫?」
ホテルに向かうバスの中で乗り物酔いをした俺を継母が心配そうに気遣う。父は「情けない」と呆れていたし、嶺亜兄ちゃんは俺のことなんかまるでほったらかしで景色に夢中になっていた。
「部屋でゆっくり休むといいわ。今日は泊まるだけだし、お風呂に浸かってゆっくりしなさいね」
「はい…」
ハンカチで口を押さえながら廊下を進むと、すでに嶺亜兄ちゃんはルームキーを挿し込んでいた。
「けっこう広いよ。あ、こっちは畳になってるぅ。景色いいねー」
嶺亜兄ちゃんは一人ではしゃいでいる。俺がベッドに倒れ込んでもおかまいなしだった。おかげで元々低いテンションが底なしに下がって行く。少しは心配してくれてもいいのに…
だけど心配するどころか嶺亜兄ちゃんは厳しい一言を放ってくる。
「ちょっともぉ乗り物酔いとかさぁ…せっかくの旅行なのにそんな暗くなんないでよぉもぉ。そんなんじゃ置いてくからぁ」
「…」
ちょっとは優しい言葉をかけてくれてもいいんじゃないの、と言おうとしたら嶺亜兄ちゃんはベッドの上に座ってなんと服を脱ぎ出した。
俺は酔いが一気に吹き飛んで思わず身を起こした。まさか、いきなり…?
「何見てんのぉ?着替えるだけだけどぉ」
ベッドの上に用意された浴衣を手にとって意地悪な目を嶺亜兄ちゃんは向けた。俺が反応するのもお見通しだったようだ。
「龍一もさっさと着替えなよ。手伝ってあげようか?」
それって脱がしてやるってことだろうか…そう解釈して俺は体温が一時的に上昇する。じゃあお願いします、と期待しているとコンコンとドアがノックされた。
「はぁい」
嶺亜兄ちゃんがいそいそとドアを開ける。父が「夕食は7時から大広間でだからそれまでゆっくりしてなさい」と話しているのが聞こえた。部屋の時計を見るとまだ5時をすぎたぐらいだから2時間はゆっくりできるな…と俺は計算する。
だけど嶺亜兄ちゃんはその余裕を与えてくれなかった。
「何やってんの?早く着替えて。ご飯の前に温泉入りに行こうよ。早く」
逆らうことも許されず俺は着替えもそこそこに大浴場に連れていかれた。

.

405 :ユーは名無しネ:2014/11/07(金) 19:39:17.03 0.net

「俺が行ってくらあ。もしかしたら森に何か取りに行ってどっかで事故に遭ってるかもしんねーし。懐中電灯どこにある?」
栗田が足を進めようとすると、谷村が待ったをかけた。
「それはちょっと考えにくいと思う…。嶺亜くんは自分で森に何かを取りに行くことはないよ。いつも俺に取ってきてぇって言うから…」
「おめーがアテになんねえから一人で行ったかもしんねえだろ」
「いや、谷村の言うことはもっともだよ。嶺亜くんが谷村をパシらず自分で動くなんて考えられない。それより神宮寺もいないってのが気になる」
倉本がそう言った。颯も顎に手を当てながら考える仕草をする。
「昼休みに一緒にご飯食べた時、冤罪の件についてあの三人が謝ってきたよぉってゴキゲンだったからもしかしたら二人和解してどっか出かけてはめをはずしてる…なんてことは…」
「神宮寺とれいあが二人でどっか行くわきゃねーだろ!!それこそありえねえ。いや、ありえねえは言いすぎだけどよ、それならなんで連絡の一つもないんだよ。第一、岩橋だって神宮寺がどこ行ったか知らねえみたいだぞ」
「それもそうか…じゃあ二人で森にでも行ったのかな…何しに…?」
4人は頭を悩ませる。だが結論が出ないので栗田がいてもたってもいられず懐中電灯片手に森へ向かおうとするが出入り口には管理人がいる。こんな時間に出て行こうとすれば必ず咎められるから一階のトイレの窓からこっそり抜け出した。
颯と谷村も付いて行き、倉本は戻ってきた彼ら三人を窓から入れるために脚立とロープを持って待機していた。
二時間後、焦燥感にくれた三人が戻ってくる。その間も、嶺亜は瀬久樹寮に戻ってくることはなかった。

176 :ユーは名無しネ:2014/07/20(日) 18:07:50.09 0.net

目覚めるとそこにはすやすやと気持ち良さそうに眠る嶺亜兄ちゃんがいた。真っ白な肌がカーテンから漏れた光に照らされて光沢を放っている。眩しそうに寝がえりをうつとまた小さな寝息をたてていた。
目覚まし時計は7時すぎを指している。セットはされていない。
ずっと嶺亜兄ちゃんの寝顔を見ていたいけど、緊急事態が俺達を襲った。
「嶺亜、起きてる?お母さん今日も少しお仕事遅くなるから適当に…」
なんと継母が嶺亜兄ちゃんに話かけながらドアを開けた。中にいる俺を見てぎょっとした顔をする。それもそうだろう、俺は何も身に纏っていないし嶺亜兄ちゃんだってそうだ。もっとも、タオルケットで要所要所は隠れているが…
まずい。絶対にまずい。しかも嶺亜兄ちゃんはそんなことにも気付かす寝入っている。可及的速やかにこの状況を脱しなくては。俺の頭はまどろむことも許されずフル回転した。
「おはようお母さん…昨日ゲームをやりすぎて気付いたら嶺亜兄ちゃんの部屋で寝てしまって…」
「そうなの…こっちこそごめんなさいね、嶺亜一人かと思ってたから…あ、嶺亜が起きたら言っといてくれる?今日は帰りが遅くなるからって」
継母の眼はまだ戸惑いを示している。まさか一瞬で察知されたとも思えないがもう一言二言必要かもしれない。
「うん。あの、お母さん」
「何?」
「昨日はかばってくれてありがとう。父さんにもう怒られないよう勉強がんばります。嶺亜兄ちゃんも昨日ゲームにつきあってくれて色々励ましてくれたからもう大丈夫」
継母と会話らしい会話を交わすのはこれが初めてかもしれない。皮肉にも、こんな事態になってからではあるが…
継母の表情から戸惑いが消え、代わりに彼女は微笑んだ。それが少し嶺亜兄ちゃんに似ていた。
「そう言ってくれて嬉しいわ…少しは母親らしくなれたかしら、私」
俺は頷いて答える。継母は「ありがとう」と言って階下に降りて行った。
なんとか事なきを得てほっと浅い溜息をつくと…
「…ちょっとはごまかすの上手くなったじゃん」
小さな声がすぐ横で響いた。

302 :ユーは名無しネ:2014/09/08(月) 12:39:14.60 0.net

こんな奴のせいで作者さんが来られなくなったら可哀想

142 :ユーは名無しネ:2014/06/16(月) 17:50:19.36 I.net

この曲には全国が注目した。この曲の為に2人はボイストレーニング、振りの練習に全力で励んだ。しかし注目されたのはそこではなく…

“ジャニの新ユニ暗すぎワロタ”のスレを抜かし、勢いランキングで1位になった、“ジャニの新ユニの変わり方w”より…
「おいどうしたwwwニート臭しなくなったぞwww」
「目に光が宿ってるとか谷茶浜凜じゃねえwwwww」
「変わりすぎワロタwww」
などとレスがたつ。

でもやっぱりそこはTRQ。ちなみにお色気地帯のNewシングルではない。谷凜クオリティだ。CDは爆発的大ヒット、音楽ランキング1位制覇…

「やったね、凜…もう自滅とか思わずに堂々と生きられるね…」
「うん。今度は僕たちで作詞作曲して見たいね…」

頑張れ谷茶浜凜、作者は君たちを応援し続けるぞ!!

To Tanichahama rin

Congratulations

Tanichahama rin is “Forever”

From Author

221 :ユーは名無しネ:2014/08/25(月) 15:53:16.61 O.net

 ___ _
  ヽo,´-‘─ 、 ♪
   r, “‾‾‾‾”ヽ
   i. ,’ノレノレ!レ〉    ☆ 日本のカクブソウは絶対に必須です ☆
 __ ‘!从.゚ ヮ゚ノル   総務省の『憲法改正国民投票法』のURLです。
 ゝン〈(つY_i(つ http://www.soumu.go.jp/senkyo/kokumin_touhyou/index.html
  `,.く,§_,_,ゝ,
   ‾i_ンイノ

240 :ユーは名無しネ:2014/08/27(水) 21:06:36.77 0.net

「いてて…」
ズキズキ痛む左ほおを抑えて谷村は目を細める。元々低かったテンションがさらに下がり始めていた。
「ったくおめーは鈍くせーな。フツーあんな高さの脚立から落ちるか?」
横で恵が呆れている。谷村は聞こえないフリをして沈黙を貫いた。
祭会場の提灯を取り付けようとして、谷村は脚立から落ちて左ほおを強かに打った。心配した大人達がもう休んでていいと気を遣ってくれて休憩に入ったが何故か恵もついてくる。
「あっちーなおい、体育館行こうぜ」
照りつける日差しを避けるべく体育館に向かうと通りがかりのおばちゃんに「これ食べな」と茹でトウモロコシをもらった。それを抱えて中に入ろうとすると賑やかな音楽が聞こえてくる。
「おーおーやってんじゃん岸」
体育館の中では岸くんがステージリハ中だった。といっても設置された音響に自分で音楽を流して一人で踊って歌っているだけだ。
しかしながらその集中力は凄い。恵達が入ってきたのにも気付かず、岸くんは歌い、踊る。そのパフォーマンスに魅入っていると先客がいたことに谷村が気付いた。
「颯」
声をかけると、そこに佇んでいた颯はびくっと肩を震わせた。彼もまた、岸くんのパフォーマンスに魅入るあまり恵達が入ってきたことに気付かなかったらしい。
「あ、恵くんと谷村。…あれ、谷村どうしたのここ?」
颯が谷村の頬の痣を指差す。
「コイツ提灯取りつけようとして脚立から落ちてやんの。マジうける!」
「笑いすぎだよ…」
「あ?誰がアイスノン取ってきてやったと思ってんだてめー!」
恵は谷村を蹴りつける。確かに落ちたと同時に「おい何やってんだよ」と恵が真っ先にアイスノンを取りに走ってくれたことは認める。優しいのかなんなのか谷村には未だに分からない。
颯はそのやりとりを可笑しそうに笑うとまた視線を岸くんに向ける。曇りのない純粋な憧れの眼差し。谷村はそれを感じとると無意識にこう呟いていた。
「去年、あんなことがなければ岸くんは今頃本当のスターへの階段を上ってたかもしんないのにね…」
言った瞬間、後悔した。恵の蹴りが入ったのもそうだがそれ以上に颯の眼が哀しい色を宿したからだ。
「ごめん、颯…」
慌てて颯に頭を下げる。だが颯はかぶりをふった。
「俺が謝られることじゃないよ。それに、事実だし。本当にタイミングが悪かったんだよ…おじさんがあの日に倒れたのは…」
「岸、また受けりゃいいのに。あいつだったらまた受けりゃ受かるだろ?そのナントカオーディション」
恵がそう口にした。颯も谷村もそう思う。
だけど岸くんは今ここにいる。ここにいて、祭に花を添えるステージパフォーマンスを島の住民のために開いてくれようとしている。
岸くんは神七島の皆のアイドルスターかのようにいつの頃からか毎年恒例でここで歌って踊って皆を楽しませてくれた。それが今年も変わることなく披露される。
そう、変わることなく…
「あれ?おいお前ら来てたの?声くらいかけろよーなんか一人で世界に入りきっちゃってて恥ずかしいじゃん!」
気がつけば、汗を額に浮かびあがらせた岸くんが三人の下に駆け寄っていた。恵がいつものようにバカ笑いでそれを迎え、颯と谷村のフォローをする。
「茹でトウモロコシもらったからよ!休憩がてら食おうと思ってよ。あ、3本しかねーから谷村お前ナシな!」
「え…ちょっとそんな殺生な…」
「ギャハハハハハ!しゃーねーから変なおじさんのモノマネしたら半分分けてやるよ!!もちあそこのステージでな!!」
それから谷村はさっきまで岸くんが歌って踊っていた体育館の特設ステージのど真ん中で変なおじさんの物真似をさせられて茹でトウモロコシを半分恵からもらったのだった。

.

34 :ユーは名無しネ:2014/03/16(日) 19:14:44.59 0.net

「んじゃバイト行ってくるわれいあ。夕飯までには帰るから」
「うん。行ってらっしゃい恵ちゃん」
恵と勇太はいつもの肉屋とファミレスのバイト、颯は陸上部の練習に出かけて行った。
「さぁてとぉ、郁ぅお庭の畑のお手入れ手伝ってぇ」
「あいよ!」
嶺亜と郁は庭に作った畑の世話に精を出す。4月の陽気に包まれて岸家の家庭菜園は少しずつ芽吹き始めていた。
「これ収穫できる時期になったらさ、庭でバーベキューとか良くね?嶺亜兄ちゃん」
「そぉだねぇ…そのうち鶏とか牛とか飼いだしたりしてねぇ」
二人できゃっきゃと笑いながら鍬やスコップを動かしていると話題は今日龍一が連れてくる彼の友達になる。
「そーいやさー、さっき龍一兄ちゃん駅に迎えに行ったけどどんな奴かなー。あの龍一兄ちゃんとよくコミュニケーションとろうなんて思ったよな」
「だよねぇ。でも凛の時も龍一と似たようなタイプでお互い安心できてたみたいだからぁ似たようなタイプの子じゃないのぉ?おとなしくてくらぁい感じのぉ」
「てことは龍一兄ちゃんに負けず劣らず暗くてネガティブで負のオーラ放ってるってことか。あ、そういや空が曇ってきたからそろそろ帰ってくるかも」
郁に言われて嶺亜が空を見上げるとさっきまで晴れていた青空が今は一面の鉛色になっていた。ひと雨来そうな感じがして嶺亜は洗濯ものを早めに取りこむことにした。郁と物干しに向かうと門が開く音がしてそこに視線をやると龍一が帰ってきたところであった。
「あ、ただいま嶺亜兄ちゃん…。えっと…友達の…」
おずおずと龍一が連れて来た友達を紹介しようとする。嶺亜と郁は想像と全く違った龍一の友達に目を丸くした。
「初めまして、おじゃまします。本高克樹と申します」
はきはきと明るく、礼儀正しくお辞儀をしてにっこりと輝くような笑顔で自己紹介をすると、本高と名乗った美少年は龍一に向き直る。
「龍一君が言ってた通り、綺麗なお兄さんと可愛い弟さんだね」
「あ…うん…そう言っていただけると嬉しい…」
光と闇、陰と陽…二人から放たれる全く正反対の雰囲気に驚愕しつつ、嶺亜と郁はリビングにいる岸くんと挙武に報告しに行った。

181 :ユーは名無しネ:2014/07/24(木) 04:35:56.32 0.net

最高

392 :ユーは名無しネ:2014/10/30(木) 20:34:04.02 0.net

だけど嶺亜はその背中を見て思う。栗田が優しいのは、それは単に小さな頃からの知り合いで幼馴染みみたいなものだから…だから自分に優しくしてくれるだけであって自分の望むような理由からじゃないんだ、と。
僕は男で、栗ちゃんも男だから…
それを突きつけられて、涙が枯れるほど泣いて悩んで、それで手にしたのがこの本…全くの偶然だったし、運命と呼ぶにはこじつけがすぎる。
だけど、そこにすがるしかなかった。そうしなければ精神の安定を保てない。
『魔女』なんて風変わりなアダ名をつけられても、自分にはこの本が拠り所だから…だから意味のない儀式を繰り返す。それに付き合ってくれるのは谷村だけ…
ぼんやりとその暗くてネガティブで厚ぼったい唇と点在するホクロと大きな二重瞼を思い浮かべていると栗田が振り返る。
「なーれいあ。お前しょっちゅう谷村とつるんでどっか行ってるって聞くけど何してんの?」
「え?」
「お前ら実は付き合ってんじゃね?とかって噂する奴もいるしよ…実際どうなんだよ?」
冗談っぽい感じではなく、真剣な眼差しだった。嶺亜は否がおうにも期待がかけめぐるがそれを自制した。
「やだぁ栗ちゃん何言ってんのぉ?なんで僕が谷村とぉ?可笑しくってお腹がよじれちゃうよぉもぉやだぁあははぁ」
大げさに大笑いして見せると、少しきまり悪そうに栗田はこめかみのあたりを指で掻く。そして呟くようにこう言った。
「まー違うんならそれでいいけどよ…」

.

218 :ユーは名無しネ:2014/08/24(日) 19:03:20.22 0.net

夏っぽくていいですね。
岸颯がいろいろありそうだけど楽しみ

78 :ユーは名無しネ:2014/04/30(水) 23:48:19.15 0.net

れあむうううううううううううううううううううううう

189 :ユーは名無しネ:2014/07/28(月) 23:23:25.54 0.net

リクエストした者です
まだまだ続きそうで嬉しいです
終わったら寂しい
素直じゃないけど大胆なれあたんが可愛いです
温泉もタイムリーな感じで最高です

328 :ゆか:2014/09/26(金) 16:08:25.58 0.net

手越裕也はやくざではない 手越裕也はやくざではない

315 :ユーは名無しネ:2014/09/13(土) 22:02:35.53 0.net

≪ 岩橋玄樹ヲタ婆の病名 ≫

■自己愛性人格障害 (「私は皆から愛されてる!」妄想、「私の意見は影響力がある!」妄想 ※実際はただの嫌われ者)
■境界性人格障害 (投影同一視をする悪癖が習慣化)
■統合失調症 (妄想妄執・自分の病態をきちんと自覚しない・自慢したがり・反省しない・気に入らない流れになると暴れるetc.)
■強迫性障害 (他人との会話に飢えている・他人と繋がれないとイライラ・孤独恐怖症・自分の無価値を否定したい・異常粘着)

≪ 岩橋玄樹ヲタ婆さんの好みのタイプ ≫

■北山宏光
■倉本郁
■岩橋玄樹
■中村嶺亜

・揃いも揃って子供っぽい・男らしくない・「あざとぶりっ子」と言われるタイプ
・北山・倉本・岩橋は顔がムニュムニュ・ぷにぷにしているタイプ
・岩橋婆が「男」に全く免疫がないため、この手の男性的でなく一見無害そうなタイプを好む(注:岩橋婆さん→すでに50代)
・リアルで「普通の大人の男性」とまともに付き合えないため、童貞臭い(処女性の強い)タイプに惹かれるらしい

※岩橋玄樹ヲタ婆自身が「オキニ」である“岩橋センター”での新ユニットでのCDデビューを望んでいるため、
 来年のワールドカップバレーでのCDデビューを異常なまでに意識し、気に食わない相手を徹底的に叩く

※叩くターゲットは岩橋以外にセンターになりそうなJr(岩橋=センター、の夢を壊す憎い存在)        
           岩橋以外にセンターになりそうなJrの「ヲタ」(岩橋以外を応援する人間は許さない)
           岩橋と仲良くなさそうなJr(岩橋とホモ妄想ができない相手は叩き対象)
           岩橋と仲良くなさそうなJrの「ヲタ」(岩橋を嫌ってそうだから逆恨み)

※つまり、ほとんどの(岩橋以外のJrと、岩橋以外のJr担)が岩橋玄樹ヲタ婆にとっては「叩き対象」である

237 :ユーは名無しネ:2014/08/27(水) 21:03:03.65 0.net

神7シネマ劇場「少年の頃」

携帯の目覚ましアラームが鳴って、嶺亜は目を覚ます。欠伸を一つして身支度もそこそこにロビーに降りた。
まだ午前6時半。嶺亜は早起きなのである。だからこそ一人部屋を選んだのだ。誰かと同室になったら早朝のアラームで喧嘩になるだろうから。
当然ながらロビーはひと気がなくしんとしている。朝ご飯を作ってくれる従業員も7時にならないと来ない。山鳩の鳴き声が静かにこだましていた。
ふと思い立って、嶺亜は外に出る。島の朝は早いのか早朝にもかかわらず人がまばらに行き来していた。が、それらはほとんどが老人である。
「栗ちゃんもう起きてるかなぁ」
携帯電話が使えないというのは何気に不便だ。こんな時、ラインの一つも入れて「起きてる?」と確かめることもできるし電話をかけて起こすこともできる。だがここではそんな常識は通じない。
不便といえば不便だが生まれた時からそんな生活をしているとそう感じないのだろう。それが当たり前なのだから。
そんなことを思いながら歩いていると前方に校舎のような古い建物が見え、そのグラウンドの中央に櫓のようなものが立っているのが確認できた。門柱には「神七小中学校」と刻まれている。お祭り会場はここなのだろうか。覗こうとすると後ろから声がかかる。
「嶺亜くんじゃん。一人で何してるの?」
太鼓のバチを沢山かかえた瑞稀がきょとんとして立っていた。散歩してるのぉ、と答えると瑞稀は「そうなんだ」とシンプルに返す。
「うちはおじいちゃんが和太鼓してるから祭の囃子太鼓を毎年担当してるんだ。昨日遊んでてさぼっちゃったから今日は早くから手伝いしないとって思って」
真面目そうな瑞稀らしい行動である。昨日は倉本が「送って行く」と称してかなり遅くまで一緒にいたらしい。
友達がかけた迷惑を詫びるつもりでバチ運びを手伝うと「どうぞ」と冷たい麦茶とアイスを瑞稀の家の人からもらった。小中学校のグラウンドのベンチでそれを食べる。

21 :ユーは名無しネ:2014/03/05(水) 23:10:24.17 0.net

作者さん乙でっす
うみんちゅ倉本コンビはもはや鉄板ww

390 :ユーは名無しネ:2014/10/30(木) 20:32:31.57 0.net

「…俺はれいあが倉庫から通じる渡り廊下にブレスレット取りに行った時誰かに襲われかけたってのが気になるぜ。もしかしたらそいつかもしんねー。れいあ、顔見たか?」
「ううん。怖かったしぃ逃げるのに必死だったからぁ…」
栗田に寄りかかりながら嶺亜は口元に手を当ててすっかりぶりっこモードだ。彼にとって部屋を荒らされたショックよりも栗田に心配してもらえる喜びが遥かに勝るのかもしれない。
「え!?なんだよその倉庫から通じる渡り廊下って!」
神宮寺が目を丸くして身を乗り出す。
「あそこ入れんのか!?俺の手に入れたこの古文書によるとあそこには神様が眠って…」
「ちょっと神宮寺、今その話はいいでしょ。今は君と嶺亜に仇成す者の話をしてるんだから、それは後で」
岩橋に諭されて、神宮寺は渋々座りなおした。
「何かなくなったものとかはないの?」
岸くんに汗を拭くためのハンカチを渡そうかどうか迷っていた颯はふと思い立ってそう二人に問う。しかし二人とも首を傾げた。
「俺は最初に机に入れてたエロ本破られてたぐらいだな。部屋に置いてたコレクション丁寧にまた揃えたけどなくなってたり壊されたもんとかはねえ。服とか教科書の類も」
「僕もぉ。机の時は教科書破られてたけど昨日はひっくり返されてるだけでなぁんにもぉ」
「だったら物盗り目的じゃなくて、単なる嫌がらせかな…ますます分かんないね」
皆で頭を抱える。3人よれば文殊の知恵というがその3倍の9人が集まっても何ら進展しなかった。
その9人の中で最もアレな頭脳を持つ栗田がこう締めくくる。
「誰だか分かんねえけどよ…とにかくれいあは俺が守る。おいれいあ、今日から俺、お前の部屋で寝泊まりするから。いいな?」
「栗ちゃん…」
恋する乙女のうるうる目になって、嶺亜は両手で口元を押さえる。二人っきりのれあくりワールドが展開されるのを横目に羽生田はオホン、と咳払いをした。
「まあとにかく…防犯カメラをもう二台仕入れてくるからこっそりお互いの部屋の見つかりにくいところに設置しておいてくれ」
とりあえずの防犯対策を練ったということで皆が若干安堵していると神宮寺が茶化すように言った。
「おい嶺亜、栗田。その防犯カメラの映像が18禁になんねえようにほどほどにしとけよ」
栗田はバカ笑いで答えたが、嶺亜は栗田の腕にしっかりしがみつきながら憎まれ口を返す。
「それはお互い様ぁ」

.

201 :ユーは名無しネ:2014/08/14(木) 19:17:05.43 0.net

「なに?どうしたの?パパのお説教そんなに怖かった?」
「冗談じゃねえぞ…」
岸くんの言葉を遮って、勇太が呟いた。挙武も続く。
「颯が夕飯を作る…だと…?」
わなわなと震える横で龍一が頭を抱え出した。
「嫌だ…もうあんな悪夢は…」
嶺亜が寝込んだ、と聞かされたときとは比べ物にならないほど恐れをなしている。これは尋常ではない。そのただならぬ雰囲気に岸くんは背中が寒くなった。
「何?どういうこと…?」
訊ねると、恵が珍しく神妙な面持ちでこう説明した。
「パパ、おめーはまだ颯の料理食ったことがねーからそんな平気な顔してられんだぞ。いいか、あいつの作った料理はこの世のモンじゃねえ。
いくら俺がアホでもあんなもん食わされそうになって黙ってられるほど命知らずじゃねえ。帰ったら全力で俺ら止めに入るからな。いいな?」
「へ…?そ、そんなに…?」
「いつだったか…あれは、そう…5年ほど前かな…嶺亜が友達の家に一泊した時のこと…」
挙武が紅茶カップを置いて切々と語り始めた。
「出前で済ますにもママの給料前でそんな金もなく、家には米と若干の野菜と卵と加工食品のみ…どうしようと思ってると颯が『調理実習で包丁や炊飯器の使い方を覚えたから俺が作る!』と言いだした…」
「ふんふん。いい子じゃん。颯らしい」
「皆特に反対しなかった。面倒くさいしな。ママも『颯が作りたいって言ってるならそうさせてあげるぅ』とか言って能天気に任せていたら…」
まるで怪談話のノリである。皆も神妙な面持ちでその昔話を聞いた。
「できあがったものがもう…とてもじゃないけど食えたものじゃないんだ…不思議なんだよ、普通の食材を使ってどうしてあそこまで凄まじい味にできるのか…。一種の才能だな、あれは」
「ま…まーたまたー!大げさすぎだよ挙武は!」
岸くんが冗談で片付けようとすると勇太がかぶりを振った。
「別に誇張も何もしてねえよ。俺が一番キツかったのは砂糖にぎりだな。あれ食った瞬間農家の人に申し訳なく思ったけどリバースしちまったし」
「間違えただけでしょ。小学生の頃でしょ?砂糖と塩間違えるなんて良くあることじゃん。もう高校生なんだから間違えるはずが…」
「あめーよパパ。あいつ自信満々に『塩より砂糖の方が合うと思ったんだ!』って言ってたし。他の料理も食えたもんじゃねえ。あんなの平気で食えんのは郁ぐれーだぜ」
恵が胸のあたりを押さえながらそう言った。その郁は能天気に5枚目のトーストにあんずジャムを塗っている。
「その日から俺達は…颯にだけは料理をさすまいと誓った…その時初めて兄弟が一つになったんだ…」
指をくるくる回しながら龍一が呟く。
「いや…でもさ、張りきってるしもう小学生の頃とは違うんだしやらせてみてもいいんじゃ…」
岸くんがそう諭すと皆は溜息をついた後、
「じゃあパパが責任持って全部食えよ。次はパパが寝込むことになっても俺ら知らねえからな」
勇太の脅しにびびった岸くんは「やっぱり出前を取ろう」という結論に落ち着いた。そして颯にそれを伝える役割を龍一に任せ、その他の家事分担を考えた。

301 :ユーは名無しネ:2014/09/07(日) 21:44:29.08 0.net

上がってるスレに自動的に書き込まれるみたいだからスルーというよりsage進行にして目に触れないようにした方がいいよ

320 :ユーは名無しネ:2014/09/18(木) 19:52:15.10 0.net

「皆さんはUFOを見たことがありますか…?」
リビングに通されてお茶をもらうなり、田島は真剣な表情でこう呟いた。
「…」
沈黙。
「はい?」
岸くんが訊き返すと、田島はいきなりリビングの外を見てただならぬ雰囲気を出し始める。
「…カーテン閉めてもらえますか…もし宇宙人に見られていたら…」
「あの…田島くん…?」
なんか嫌な予感がする…岸くんがそれを察知していると龍一がカーテンを閉めた。
「ありがとうございます…さすがに盗聴器はないと思うけど…念のため小声で…」
更に声のトーンを落とし、田島はまるで恐怖体験を語るかのように話し始める。至って大真面目な口調で。
「あれはある晴れた日…偶然空を見ていたら…見ていたらUFOが…あああこれ以上は恐ろしくて言えない…勘弁してください攫われちゃう…」
いや、話し始めたのはお前だろ、というツッコミは誰も飛ばさなかった。なんだか触っちゃいけないような気がしたからだ。
「大変だよね、宇宙人に連れていかれたら…。大丈夫、田島はちゃんと秘密守ってるから連れて行かれることはないって」
「ありがとう颯。俺はまだ地球でやり残したことがあるから」
岸くん以下岸家はどん引きである。眉唾も甚だしい話だが本人は至って真剣だから余計にタチが悪い。
「この話、信じてくれたの颯だけなんです」
アイスミルクティーをストローで一気にすすりながら田島はしみじみ語る。
自身の少々エキセントリックな話題についていける友人が少ないことやワサビが克服できないこと、XファイルのDVDBOXが高くて手が出ないことなど…大半はどうでもいい話題であった。
岸くんは思う。どうもこの家に来る子はどこか普通でない奇天烈な子が多い気がする…こないだの本高くんといい…

31 :ユーは名無しネ:2014/03/16(日) 19:10:19.95 0.net

「お、今日はすき焼き?豪勢だね」
夕飯の支度をする嶺亜と郁に仕事帰りの岸くんが問いかける。
「そぉ。恵ちゃんがバイト先ですきやき用のお肉安くしてもらってきたしぃ勇太が八百屋のおばちゃんに気に入られてるからぁお野菜も安くわけてもらったんだよぉ」
「あとは俺が春休みの農場体験で卵をもらってきたからな!」
郁が得意げに胸を張る。そろそろできあがろうかというところに龍一と、彼を迎えに行った颯が帰ってきて家族全員で鍋を囲んだが…
「…ダメかもしれない…」
開口一番、この世の終わりのような顔で龍一はそう呟き、リビングは凍りついた。
「…国語の問題で、途中分からない問題があってそれを飛ばして回答してたつもりだったんだけど…どうも回答欄を一つずつ間違えたかもしれない…最初の方の問題だったからあとの問題全部解答欄違いで撥ねられる…」
「…」
皆の箸を持つ手がぴたりと止まる。郁でさえも、である。
「…やっぱり俺には負け神が憑いてるんだ…この先何やってもどうせ上手くいかないんだ…」
「そ、そんなことないだろ龍一!お前の勘違いかもしれないだろ。その解答欄を空けて他の問題解いたんなら何も問題は…」
岸くんが元気づけようとしたが龍一はうなだれて首を振った。
「…最後の問題を解答しようとしたら…一つ空いてるはずなのにすでに全部の欄が埋まってしまってて…そこでパニックになってしまってあとは自分がどうしたか覚えてないんだ…もうだめだ…」
「いや…でも、1教科だけだったら他で挽回…」
「それが1限で、あとの時間もどうやって問題を解いたか覚えてないんだ…頭が真っ白になって…」
沈黙が流れる。鍋のぐつぐつと煮える音だけが虚しくこだまし、すき焼きはすでに煮えすぎてグラグラになってしまっていた。その残骸を皆が無言で自動的に口に入れて夕食は終わった。
それから一週間、龍一は生ける屍となっていた。いつもの10倍増しの暗さで同部屋の颯はいたたまれず郁の部屋に寝泊まりするほど負のオーラがだだ漏れていたのである。
そして合格発表の日…
「龍一!何言ってんの!?龍一の合格発表なんだから自分で見に行かないと!」
颯が部屋のドアを叩きながらそうまくしたてたが龍一は蒲団を被ってそれに抵抗した。
「…嫌だ…どうせ落ちてるんだから誰でもいいからそれを確かめてきて…俺には耐えられない…」
「おいおめー何言ってんだよ!おめーの合格発表をなんで俺らが代わりに行かなきゃなんねーんだ甘ったれんな!」
蒲団の上から恵が蹴りを入れたがそれでも龍一は出て来ない。
「龍一、いいから出てこい!ここにお前好みの巨乳美女のグラビアがあるぞ!」
勇太がエロ本で釣ったがしかし全く反応はない。
「おい龍一!!辛いのは分かるがこの僕だって去年、不合格と言う事実を甘んじて受け入れたのだからお前にそれができないなんて言わさないぞ!
心配しなくても不合格だった時の対処法も全て考えてあるからそんなに気に病むことはないんだ!だから行け!」
挙武が自身の苦い体験を励ましの言葉に変えたがそれでも龍一は「嫌だ」の一点張りである。
「龍一ぃ…出て来ないとおしおきだよぉ…それでもいいのぉ…?」
嶺亜がドスをきかせた声で脅しをかけると龍一は一瞬顔を覗かせたがそれでも再び蒲団を被った。
「んじゃ俺が行ってきてやるよ」
末っ子の郁が、仕方がないといった様子でそれを申し出ると岸くんが蒲団の前に座ってこう諭した。

291 :ユーは名無しネ:2014/09/06(土) 22:16:00.06 0.net

>>290

ま  た  今  日  も  自  己  紹  介  、  乙  w

なになに?時間の経過とともにムクムクとその 精神病 が復活する感じになってんの?wwwwwww

一時症状が収まっても、すぐに ま た 我慢できなくなっちゃってwwwwwwwwwwwwwww

い つ も の 「自己紹介乙wwww」 の 投 影 同 一 視 が出て来ちゃう感じ?wwwwwwww

さすが 統合失調症 と 境界性人格障害 を 併発している 真性精神病老婆は違うなぁ〜〜〜〜wwwwww

そうやって、 お ま え は 死ぬ日まで 毎日、 毎日、 毎日、 毎日、

そうやって 醜いミジメな精神病 を 炸裂させ続けるんだねwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

50代老婆になっても、 彼氏も、 友達もいないおまえwwwwww 年老いた家族からも疎まれてるおまえwwwwwww

ねぇお前の親が死んだら、おまえマジで生きていけないでしょ?wwwwwwwww障害者団体も保護してくれないよ?wwwww

自分で自分の世話もできない奴に、楽しく老後生活送ることなんかできないからねwwww10代や20代の女の子相手に

必死で発狂してるヒマがあるなら、少しでも近い未来の お ま え の老後のことでも考えたら?wwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

人生終わってる欲求不満岩橋ババアwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww

323 :ユーは名無しネ:2014/09/18(木) 19:53:51.28 0.net

「あ、僕はゲームはあんまり得意じゃないので見てようと思います」
気を落ち着かせた田島はまた元のとおり物静かな不思議系少年に戻って再びピオーネの皮を剥き始めた。とにかくUFOの話題さえ出さなければなんの問題もないのである。岩橋にそれとなく耳打ちして、その話題は彼の前では禁物だと教えた。
「…岸くんの家に来る子は変な子ばっかり…」
口元をハンカチで拭いながら、誰にも聞きとれないように呟いた岩橋だったがしっかりと岸くんには聞こえていた。暗闇でデーモン化するお前も人のこと言えないだろというセリフは喉の奥にしまっておく。

ゲーム大会で盛り上がり、夜も更けて来た頃、田島が立ちあがる。
「そろそろ家に帰らないと両親が心配するのでおいとまします。今日はとっても楽しかった。お夕飯もご馳走様でした」
ぺこりと一礼をして田島は帰り支度をしようとする。時計を見ながら恵が、
「ギャハハハハハハ!!おめー変な奴だけどまあ退屈しのぎにはなったぜ!!んじゃ最後にこれやって帰れよ!昨日中古ショップで格安で手に入れたんだぜ!!」
恵はよっこらせと何かのセットを出して来た。岸くんも少し前良くゲーセンでやっていた。ストレス解消にけっこう効果があるのである。そう、『太鼓の達人』である。
「お、いいねー俺もやりたい!リズム感にはけっこう自信があるんだよ。田島くん、対戦しようよ」
張り切ってバチを渡そうとすると、それまでにこにことしていた颯が慌て出す。だが間に合わず田島にバチが渡ったその瞬間…
「ええじゃないかーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
そう叫び、田島はバチを両手に持って勢い良く振りおろす。そして一心不乱にリズム打ちをしだした。
「え、ちょ…」
「あああダメだよパパ、田島にバチ渡したら!!」
「え、なんで?颯…いて!」
田島は岸くんの背中をまるで太鼓のように叩き始める。そのリズム感はハンパじゃない。だけど痛い。俺は太鼓じゃない、そう言おうとしたが今の田島には届かなかった。
「田島やめて!!これはパパであって太鼓じゃないから!!どうしても叩きたいならそこの龍一にして!」
「なんで俺を…痛い!!やめてくれ!暴力反対!」
龍一が悶絶する。凄まじいエイトビートを龍一の背中に叩きつけ、田島は和太鼓奏者の構えになっていた。UFOの時とはまた違ったエキセントリックさだ。

169 :ユーは名無しネ:2014/07/15(火) 00:22:48.04 I.net

楽しみにしてました!
次回が気になります!

90 :ユーは名無しネ:2014/05/07(水) 17:04:22.26 0.net

まだいるのかな…
しかしいたところでこちらからどう声をかけていいものか…それより何より待ち伏せとか気持ち悪がられること間違いないだろう。浅い溜息をついて谷村は踵を返した。
「あ」
少し進んで、靴ひもがほどけてしまっていることに気付く。靴ひもを結ぶのは苦手だから面倒くさいな…と思いつつかがんでそれを結び直そうとしたその時である。
「…ひゃ!!」
いきなり頬に冷たいものが当たって反射的に悶絶してしまっておかしな声が出てしまった。
何事?と驚きつつそこに視線を合わすとコーラ缶があった。そのコーラ缶を持っていたのは…
「あげるぅ」
にこっと笑って谷村にコーラ缶を放ると機嫌良さそうに嶺亜は小走りで出口に向かって行った。
「…」
その冷たい缶を握りしめつつ嶺亜の後ろ姿をただ呆然と谷村が見つめていると突然彼は足を止めた。
そして、振り向きもせずこう言った。
「明日もちゃんと支えろよぉ」
谷村が返事をする前にもう嶺亜は廊下の曲がり角を曲がって行った。まるで、返事は決まりきっているから聞く必要はないとでも言いたげに。
支えるよ。
ずっと支えるよ。だからどれだけ寄りかかってくれても構わない。
誰もいない廊下で谷村はそう口にしていた。
そしてコーラを飲もうと缶を開けるとその中身が勢い良く吹きだして顔じゅうコーラまみれになり、さらにはその辺に飛散して通りかかったスタッフに谷村はめちゃめちゃ怒られた。

我らが天使を支える柱となってくれるのは、不憫な星の下に生まれた君しかいない。頼んだぞ、谷村

END

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